ネットワークソフトウェアメーカーの米Novellは4日(米国時間)、Linuxソフトウェアメーカーの米Ximianを買収した。買収額は明らかにされていない。
Ximianの開発するデスクトップLinuxソフトウェアの買収は、Novellの販売するLinuxサーバ用ネットワーク管理ツールと補完し合うものだ、とNovellは説明している。同社ではNovell Ximian Servicesという名の事業部門を設立する予定だ。
Novellは、Ximianの後援を通じて、今後もGnomeとMonoという、2つの有名オープンソースプロジェクトをサポートしていくと約束した。GnomeはLinuxデスクトップ開発プロジェクト、そしてMonoは、企業がLinux上で米Microsoftの.Netアプリケーションを稼動できるようにするプロジェクトだ。
今回のXimian買収によって、NovellとMicrosoftの間の長年にわたる争いが再燃する可能性もある、とRobert Frances GroupのアナリストChad Robinsonは言う。パソコン用ではMicrosoftのOfficeソフトウェアが圧倒的に優勢だが、Ximian DesktopソフトウェアはLinuxアプリケーションバンドルでは最も人気の高いものの1つであり、Novellはこれを企業に売り込んでいくためのリソースをもっているとRobinsonは述べている。
Ximian買収により、「NovellはMicrosoftにとって、デスクトップ市場での大きな脅威となる可能性がある」(Robinson)
現在、Novellの主な収入源は、サーバソフトウェアの売上によるものだ。しかしここ数年、主にMicrosoftのWindows人気に圧されて、同社の主力製品であるNetWareオペレーティングシステム(OS)の売上が鈍っている。そこで、同社では最近、オープンソースOSに対する企業の関心を利用しようと、Linuxに力を入れている。
NovellはLinuxネットワーク管理のための、管理・セキュリティツール類を開発した。同社は約1年半後に、ユーザ認証のためのディレクトリ(名簿)ソフトウェアなど、同社がNetWare用に提供しているネットワークサービスと同様のものを、Linuxでも提供する予定だという。
いっぽう、Monoプロジェクトは、Novellの後援によって勢いが増すことになるだろう。MonoはMicrosoftの.Net開発ソフトウェアのオープンソース版を製作するプロジェクトだ。このプロジェクトが完了すれば、開発者はオープンソースのMonoツールを使って、LinuxでもUnixでも稼動する.Netアプリケーションを作成することが可能になる見込み。Ximianは今年末までに、Monoの第1完全バージョンをリリースする計画だ。
Ximianはまた、Linux搭載パソコン上で、電子メールや予定表などのデスクトップアプリケーションを稼動するためのツールセットも提供している。XimianのDesktop 2製品は、Microsoft Windowsのファイルフォーマットで保存された文書をユーザーが共有できるようにする製品だ。
さらに同社では、Red Carpetという人気の高いユーティリティプログラムも開発している。これはPC上のさまざまなバージョンのLinuxを自動的に更新するためのものである。
両社は、将来的にこのRed Carpetと、Novellの開発したWindowsベースのデスクトップパソコンにソフトウェアアップデートを配信するZenWorks製品を統合する予定である。
Ximianは、Gnomeプロジェクトから生まれた企業だが、1997年に同プロジェクトを開始したMiguel de Icazaは、Ximianの共同創業者の1人であり、現在同社の最高技術責任者(CTO)を務めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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