ソルトレイクシティ発--Novellは1990年代、サーバオペレーティングシステム(OS)分野でMicrosoftに敗北を喫したことがあるが、その同社が今度はMicrosoftの牙城であるデスクトップ分野で、同社に戦いを挑もうとしている。
「我々は、これまで利用されてきているシステムの代わりとしての、完全なLinux版デスクトップの開発を進めている」。Novell副会長のChris Stoneは、ソルトレークシティで開催中の同社のBrainShareカンファレンスで、Novellの忠実なファンを前にこう述べた。「我々は今後1年の間に、デスクトップLinuxが広く普及すると考えている」(Stone)
Novellは今年1月、世界第2位のLinuxベンダーであるSuSE Linuxを2億1000万ドルで買収した。また昨年8月には、Linuxデスクトップ専門会社のXimianを買収している。NovellのデスクトップLinuxには、これらのソフトウェアが含まれると見られている。
利用者も売上も減少していた独自のNetWare OSにそれまで何年もしがみつき、低迷を続けていたNovellにとって、両社の買収は大胆な方向転換となった。またSCO GroupのLinux訴訟では、AT&Tが最初に開発したUnixオペレーティングシステムの元所有者だったNovellは、現在もUnixの著作権を所有していると主張し、先頭に立ってSCOに対抗している。
NovellはこのLinuxへの方針転換を利用して、同社の開発者やセールスパートナー、顧客に対して、自社の復活をアピールしている。
同社最高経営責任者(CEO)のJack Messmanは基調講演のなかで「Novellは復活した」と宣言し、ガッツポーズをしてみせた。「我が社はまだ活躍していると思っていたが、顧客の多くは、我が社がさまざまな意味で消えてしまったと感じていたようだ」とMessmanは、基調講演のあとの記者会見でそう語った。
Novellは今回、かつてMicrosoftがNovellに対して用いたのと同じ戦略--つまり、デスクトップ用アプリケーションと、サーバ上のアプリケーションとを緊密に連携させるという戦略で、Microsoftに攻撃を仕掛けようとしている。かつてMicrosoftは、ファイルの保管や、企業のコンピューティングリソースの追跡といったタスクのために、Windowsサーバに簡単に接続できる技術をWindowsデスクトップマシンに組み込むなどして、Novellとの競争に勝利した。
「我が社の付加価値は、デスクトップとサーバの間のやり取りの最適化によって生まれると考えている。我々はこれまで、その点で敗者となっていた」(Messman)
しかしながら、Novellでは、デスクトップ用ソフトウェアを重視するようになっても、サーバ用ソフトを中心に据えたこれまでの戦略が変わるわけではないという。「販売数ではデスクトップ用ソフトのほうがはるかに上回るだろうが、しかし利益はサーバのほうがずっと大きい」(Messman)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス