日本オラクルは4月5日、新ソフトウェア製品群「Oracle 10g」の出荷を開始したと発表した。これを記念し、10gの納入先第1号となる東京証券取引所では同社の社員犬であるウェンディが立会い開始の鐘を鳴らすパフォーマンスが行われた。
10gはシステム運用を自動化し、グリッドコンピューティングを実現することを狙ったもの。製品はデータベース管理ソフトのOracle Database 10g、アプリケーションサーバソフトのOracle Application Server 10g、システム統合管理ツールのOracle Enterprise Manager 10gの3つがある。
立会い開始の鐘を鳴らす日本オラクルの山元賢治氏とウェンディ |
日本オラクル取締役専務執行役員の山元賢治氏は同日、ウェンディとともに東証に対して10gの納品を行った。また、株式取引開始時間の午前9時には立会い開始の鐘を鳴らした。
東証は10gを情報系システムに採用し、オープンシステムへの移行を図る予定。同社は2003年度から2005年度までの中期経営計画を「ITマスタープラン」として策定し、ITアーキテクチャの改善を推進している。その一環として2003年12月には、日本オラクルを戦略的パートナーと位置付け、IT基盤の統合・オープン化を進める方針を掲げた。
東証で現在稼働している情報システムは、データベースや外部公開用ウェブなど合わせて6つあり、データ量は約5テラバイトにのぼるという。これらの情報系システムはそれぞれ異なるプラットフォーム上で構築されていることから、東証では10gを利用して機能の統合化や業務システム間の連携を高め、運用の簡素化とコスト削減を図る。これにより30%のコスト削減が図れると東証では見ている。10gを利用したシステムは2005年春から稼働を始める予定で、今後4年間をかけて段階的にシステムを移行させる方針だ。
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