日本オラクル、増益決算でもなぜか株価は反応薄

 日本オラクルが先週23日に2004年5月期の第3四半期(2003年6月〜2004年2月)単独決算を発表した。前年同期に比べて小幅減収ながら、2ケタの増益を達成したものの、株価面での反応はいまひとつの状態となっている。残された第4四半期以降の業績動向と、株価推移について探った。

 同社の2004年5月期の第3四半期単独決算は、売上高586億4900万円(前年同期比2.1%減)、営業利益181億3900万円(同13%増)、経常利益181億7800万円(同13%増)、純利益106億5900万円(同26%増)となった。ERPソフト(人事、給与、仕入・販売、在庫などの基幹業務を統合したビジネスアプリケーション)が前年同期比で59%減の13億7300万円と大きく落ち込んだことなどが響いて小幅な減収を強いられたものの、外注費用の削減などを中心にコスト削減を行ったことが寄与して2ケタの増益を確保することになった。

 会社側は、今回の第3四半期の決算発表に伴い、今2004年5月期の単独業績について売上高834億円(前期比3%減)、営業利益263億円(同2%増)、経常利益262億円(同1%増)、純利益154億円(同10%増)という数字を据え置いている。

 しかし、外国証券のアナリストは「今期は会社計画に対して売上、利益ともに10億円程度の未達となる可能性が高い」と指摘する。その背景は、「データベースソフトでは通期計画に対して売上高で20億円程度の上ブレの可能性が高いものの、半面ビジネスアプリケーションソフトの売上高が計画に対して30億円程度の未達成となる懸念があるからだ。また、利益については、さらなるコスト削減余地があるものの、販売促進費用計上のズレ込みの懸念なども考慮すると、前期比で減益となる可能性も想定しておかなければならない」としている。

 日本オラクルの業績は、すでに最悪期を脱して底打ちを確認してはいるものの、依然として本格的な収益回復基調に入ったと判断するのは現状では難しそうだ。株価は、業績の底入れを好感して2月10日の安値5260円を底に反騰に転じ、3月18日には6270円の高値まで1000円(率にして19%)幅の大幅な上昇をみせた。その後は急騰後の微調整の動きとなっている。

 先週末26日の株価終値6190円で試算したPER(株価収益率)は51倍と、割高感は否定できない。したがって、全体相場が堅調で日経平均が昨年来高値を更新している追い風の状態のなかでも、日本オラクルの株価が1月21日につけた6630円の昨年来高値を短期間で一気に更新することは難しいといえそうだ。

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