日本オラクルは、マイクロソフトに奪われたデータベース市場でのシェアを奪回すべく、大々的な価格攻勢に出る。マイクロソフトのデータベースソフトウェアであるSQL ServerやAccessを利用している中小システムに照準を合わせ、Database 10gへの移行を訴える方針だ。
3月3日に発表された新価格体系によると、日本オラクルはDatabase 10gを、SQL Server 2000に比べて最大3分の1の料金で利用できるようにする。さらに、SQL Serverの下取りプログラムも開始する。Database 10gの出荷は4月5日から。
日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏 | |
日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏は、価格体系について「Windowsベースのデータベース市場において、オラクルは1997年に約61%のシェアを持っていた。しかし、その後SQL Serverが伸びてきたことから、2002年度のシェアは48.3%にまで落ち込んだ。Database 10gの投入により、1〜2年でこのシェアを1997年のレベルに戻していく」と意気込む。
今回価格が変更されたのは、Standard Edition One(SE One)とDatabase 10g Standard Edition(SE)の2つ。SE Oneでは価格を約20%下げ、搭載可能なCPU数を1CPUから2CPUに引き上げた。これにより、ユーザー数ライセンス(Named User Plus、5ユーザー時)の場合のライセンス料は9万3000円となり、SQL Server 2000に比べて約3分の1になったという。プロセッサライセンスの場合は62万4400円で、SQL Server 2000の3分の2の料金となる。
Database 10g SEはクラスタシステムのReal Application Clusters(RAC)が標準装備される。価格は従来と変わらないが、ライセンス費用を追加負担することなくユーザーはRACを利用できるようになる。「これにより、ユーザーは将来のグリッド環境に対応できるようになる」(日本オラクル 取締役専務執行役員 セールス・マーケティング・開発統括担当 山元賢治氏)
Database 10g SEはサーバに搭載するCPUが4基以下、SE Oneは2基以下となる。5基以上の場合にはDatabase 10g Enterprise Edition(EE)が必要。価格はDatabase 10g EEが500万円/CPU、もしくは10万円/Named User Plus。Database 10g SEは187万5000円/CPU、もしくは3万7500円/Named User Plus。SE Oneが62万4400円/CPUもしくは1万8600円/Named User Plusとなっている。
さらに日本オラクルでは、現在SQL Serverを利用している企業に対して、規定価格に応じた下取りを行う。期間は4月5日から12月31日まで。また、データベースの移行に関するコンサルティングサービスも提供する。
Database 10gの出荷は4月5日から順次開始する。当初の対応OSはSolaris、HP-UX、Linuxなど。Windows版は5月中に出荷される。また、新たにMac OS Xにも対応する予定だ。
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