誰に聞いても、2008年はYahooとその最高経営責任者(CEO)のJerry Yang氏にとっては最悪の年だったようだ。
Microsoftによる敵対的買収に対する闘争、億万長者の投資家Carl Icahn氏との委任状争奪戦、独占禁止法取締当局との我慢比べ、そして最後に新しいCEO探しなど、すべてがYahooとYang氏にとっては「なかったことにしたい」出来事ばかりである。
2008年はYahooにとって散々な1年だった。テクノロジ分野で同社は大きな注目を集め、さまざまな争いの紆余曲折が至る所で報じられた。
ドラマが始まったのは2008年2月、MicrosoftがYahoo株を1株当たり31ドルで買い取るという総額446億ドルの買収提案を発表したときだった。19ドル近辺で低迷していた同社の株価は、投資家が先を争って買い始めたことからまたたく間に30.25ドルにまで上昇した。
しかし2週間後、YahooはMicrosoftの提示額は同社を過小評価しているとして、買収提案を拒否すると発表。それから6週間にわたり、Yahooの経営陣とMicrosoft幹部は何度となく話し合いの場を持ったが、すべて非公式な形式によるものだった。
話し合いが進展しないことに業を煮やし、Yahooがホワイトナイトを求めていることを知ったMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏はYahoo経営陣に書簡を送り、3週間以内に取引に応じるか、委任状争奪戦を覚悟するか(そうなれば買収価格は引き下げられる)、または取引を白紙に戻すかという最後通達を突きつけた。
しかし、期限までにYahooからの回答はなかった。その後関係者たちは、今ではひどく評判の悪いある会合を開き、Yang氏と共同創設者のDavid Filo氏はBallmer氏以下のMicrosoft首脳陣と話し合った。
その席でBallmer氏は買収価格を1株33ドルに引き上げることを提案したのに対してYang氏は37ドルを要求、さらに、Microsoftが委任状争奪戦を開始すれば、YahooはGoogleと検索広告で提携すると警告した。Yahoo全体の買収に関する両社間の話し合いは、この会合が最後となった。
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