S・ジョブズ氏、アップルのバックデート問題で新たな訴訟に直面

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、長谷睦2008年07月03日 11時27分

 Appleの現在および過去の幹部が、ストックオプションのバックデート問題に関わったとして提訴された。被告には、Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏ほか複数の取締役も含まれている。

 今回の訴訟は米国時間6月27日にカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に起こされたもので、6月30日にその内容が公開された。原告のMartin Vogel氏とKenneth Mahoney氏は、2000年代初めに一部のストックオプション付与日を過去にさかのぼって設定した事実を開示しなかったとして、Appleの複数の幹部および取締役を証券詐欺の罪で訴えている。

 Appleは、一部のストックオプションについて、有利な価格で権利行使できるようにするためにその付与日をバックデートし、そのうちの2つがJobs氏に与えられたものだったことを認めている。こうした行為は、そのことを開示している限りは違法ではないが、2000年代初めには多くの企業が公開しておらず、そのために刑務所行きとなってしまった人たちもいる。

 連邦当局や州当局は、Appleの内部調査がJobs氏に責任はないと判断したことから、それ以降、Jobs氏やAppleの他の幹部を起訴する姿勢を見せていない。しかし、証券取引委員会(SEC)は、バックデートの事実を隠したとして同社の元法律顧問であるNancy Heinen氏を訴えている。

 バックデート問題で株主が訴訟を起こしたのは、今回が初めてではない。似たような訴訟は以前にもあったが、原告は訴えを認めさせるという点で困難に直面している。株主にとって、バックデート行為によって自らがこうむった損害を証明するのは、非常に難しいためだ。

 InformationWeekの報道によると、Vogel氏とMahoney氏は、Appleが2006年6月に過去のバックデートについて開示したため、その後2週間にわたってApple株の株主価値が70億ドル急落したと主張している。しかし、原告にとってやっかいなのは、その後、「Mac」や「iPod」、最近では「iPhone」が非常に好調な売れ行きを示していることで、Appleの株価が急落時点からおよそ3倍にまで上昇していることだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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