UPDATE カリフォルニア州クパチーノ発--ここ1年で50%の株価上昇を実現したApple最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏なら、ストックオプションのバックデートや環境対策に関する株主の質問を一蹴しても問題ないようだ。
Jobs氏は米国時間5月10日、同社が毎年開催する株主総会に出席したAFL-CIOやGreenpeaceの関係者の質問に対し、これらを茶化すように回答して大半の株主から笑いを引き出した。株主からは、オプションの割当日に関する方針に関するものや、幹部報酬を株主による投票に委ねるといったものなど、複数の提案があった。
これらの提案はいずれも予備投票で否決された。
Appleの取締役会には、Apple株ストックオプションのバックデートに関するJobs氏の行動を擁護したことを巡り、Institutional Shareholder Servicesなど、一部のコーポレートガバナンス組織から不満の声が上がっていた。米証券取引委員会(SEC)による調査では2人の元Apple社員が不適切な行動の責任を問われたが、この調査は同社には責任を問わず、Jobs氏も一切責任を問われなかった。
労働組合AFL-CIO関係者で、株主による幹部報酬監視を求める株主提案の発起人でもあるBrandon Reeses氏による一連の激しい質問に対し、Jobs氏は「SECまでもが関与する陰謀でもないかぎり、私にはなんとも言いようがない」と答えた。
Reeses氏はJobs氏に対し、オプションのバックデートによって得た利益を返済する意志があるかどうか尋ねた。Appleは、権利行使日を入念に選んだオプションをJobs氏が2回に分けて受け取ったことを認めているが、同氏はこれらのオプションを全く行使せず、2003年に制限つき持ち株付与の形にしていた。
Jobs氏によると、2001年10月に付与されたオプションは、実際には株価が低かった2001年8月に取締役会の承認を得たものだったという。「会社には返済を迫らなかった」と同氏が反論すると、Apple本社に集まった数百人参加者らから一斉に笑いが巻き起こった。
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