UPDATE Appleの元最高財務責任者(CFO)Fred Anderson氏は米国時間4月24日、声明を発表し、ストックオプションのバックデート処理が会計に与える影響について、2001年1月に最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏に忠告したと主張した。これは、Jobs氏はバックデート処理が与える影響を認識していなかったとするAppleの先の声明と矛盾する内容。
Anderson氏の声明は、米証券取引委員会(SEC)がAppleの元法律顧問Nancy Heinen氏を提訴した直後に出された。SECは、Heinen氏の行為が、ストックオプションのバックデート処理につながったと主張している。Anderson氏を相手取って同様の訴訟がもう1件提起されていたが、こちらは和解している。SECには法人としてのAppleを提訴する予定はないという。
この訴訟は、規制当局とAppleの両者が数カ月にわたってバックデートを調査した上で提起された。Appleは、Jobs氏のほか、Heinen氏とAnderson氏も含む複数の幹部にオプションを付与したケース2件について、バックデートが発生したことを認めている。
SECの申し立てによると、Heinen氏は2件のオプションを付与する際に、不正に過去の日付を付与日とした。1件はJobs氏、Anderson氏、そして自身を含む複数のApple幹部に付与されたストックオプションで、問題は2001年2月に発生している。もう1件はJobs氏に対する2001年10月のもの。SECによればHeinen氏はさらに、これらの日付にひも付いた費用を計上しなくて済むように、不正行為の隠ぺい工作も行ったという。
Heinen氏の弁護士は声明を出し、同氏の行動はAppleの要請に従ったものであり、違法性はないとしている。
Heinen氏の代理人を務めるRamsey-EhrlichのMiles Ehrlich氏は、「Nancyが取った行動はすべてAppleの取締役会が状況を理解したうえで許可したものであり、株主の利益とも合致する。Nancyが容易に処理を受け入れたのも、規定に合致する内容だったからだ」と述べた。
これまで、多くの企業がストックオプションのバックデート行為で非難を浴びてきた。News.comの発行元であるCNET Networksもその1社だ。バックデートとは、ストックオプションを付与した日付を株価が特に低かった時点までさかのぼって操作する行為を指す。バックデート自体は適切な記録をしていれば必ずしも違法ではないが、多くの企業はこれを費用として記録していなかった。このため、SECはバックデート問題について複数の企業を調査していた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス