4月30日の週のはじめに、eBayはあらゆるリストに使える「ToGo Widgets」のサービスを開始した。この気の利いたAdobe Flashベースのウィジェットは、ブログやソーシャルネットワークのプロフィール、そのほか明示的にFlashを禁止しているサイト以外の一般的なページに埋め込むことができる。アイデアは簡単だ。ユーザーに自分のeBayの活動をオンライン上のどこででも宣伝してもらおうということだ。簡単に聞こえるのに、実現までなぜこんなに時間がかかったのかと疑問に思う向きもあるだろう。この疑問に答えるために、最近eBayが発表した他のものを見ていき、eBayの戦略と競争の戦い方のなぞ解きを試みることにした。
eBayのトップページの下の部分で、新しい発表を大きく採りあげている。見ればすぐに、さまざまなユーザーの活動を対象とした多彩なサービスが用意されていることに気づくだろう。最初のサービスは「Deal Finder」で、これは簡単なダッシュボードと検索の組み合わせで、注目の取引の特集についてユーザーが知ることができ、キーワードでそうした取り引きの検索も行えるというものだ。取り引きの「注目度」は価格とオークションの終了期限の組み合わせで判定される。
次のサービスは、「eBay My World」と呼ばれるもので、これは個人用の、あるいは共有のページを作るというものだ。これは非常に基本的な内容の未熟なもので、ユーザーがこれを使っているところを想像するのが難しいほどだ。これはeBay専用のプロフィールとブログ、そしてユーザーの好みとストアの両方を集約したものにすることを意図されているが、ユーザーがそれをゼロから作り上げるのはかなり大変そうに見える。
次のサービスは「eBay Express」の「WishList」だ。eBay Expressはオークションを迂回して直接ショッピングをするための素早い方法を提供している。Expressでは、欲しいものが見つかったらそれを固定の値段で買うことができる。このため、ここにWishList(欲しいものリスト)機能があるのは、大変便利だ。
「eBay Pop」はおそらくこれらすべての新機能の中で最もすごいものだ。これは、eBayの人気の傾向を株式相場スタイルの洗練された方法で見せてくれる。これはうまくまとまっていてガジェット的であり、一目見ただけでも非常に意味のある機能だとわかる。eBayのこの部分は、mpireというシアトルに本拠地を置く価格比較の事業者が提供している。
最後の「Map It」は、eBayのリストを地理的に検索・整理する機能を提供する。検索を行うには、標準的な検索語に加え、ユーザーは町の名前か郵便番号を入力しなくてはならない。検索結果にはMapQuest提供によるかなり退屈な地図が表示され、すべての項目に対して自分が指定した郵便番号からの距離がマイルで表示される。Craigslistは求人情報についてのものだったため、地理が非常にうまく働いたが、購入したiPodがどこから来るかなどということは大きな問題だろうか。配送料が違ってくる可能性はあるが、それはeBayの本来の検索インターフェースに含まれるべき小さな機能に見える。現状では、この新しいサービスによい使い道を見つけるのは難しい。
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