Read/WriteWebの世界のウェブアプリケーションのシリーズの続きとして、エメラルドの島とも呼ばれるアイルランドの事例を紹介する。20年前、アイルランドは停滞しており、失業率は高く、海外へ移住する人も多かった。仕事は少なく、新興事業と言えば農業だった。しかし、経済的な高成長期を迎えて以来、その状況は変わった。変化のきっかけが何だったかについて定説はない。法人税率が低かったことか、EUへの加盟なのか。わたしは、1988年のサッカーヨーロッパ選手権のイギリスとの試合でのRay Houghtonのゴールが影響していると考えている。とにかく、物事は絶えず変わってきている。
現在では、GoogleとMicrosoft、Intel、Dell、IBMはみなさまざまなヨーロッパ本社をアイルランドに置いている。南北あわせて500万以上の人口を抱えるアイルランドは、ある意味では世界最大のソフトウェア輸出国であると見なされている。アイルランドは、大規模投資や雇用創出策に困っているわけではない。しかし、自国の新興産業ではどんなことが起こっているのだろうか。
Pigsback.comは2000年から運営されており、アイルランド(2006年からはイギリスでも)の多くのインターネットユーザーに支持されている。彼ら自身の言葉を借りれば、これは「消費者とブランドのオンラインクラブ」だ。アカウントを登録すると、ユーザーはPigsbackの広告主ネットワークから対象者を限定した商品提案やキャンペーン情報、調査への回答依頼などを受け取る。これらのイベントに対応していくと、商品やサービスと交換可能な「piggyポイント」が貯まっていく。
Pigsbackは、そこで得られる「piggyポイント」に本当に価値があるからこそ成立する。ユーザーはすぐに無料のCDや旅行の割引を受けられるだけのポイントを集めることができる。広告主ネットワークの一例としてはFord、eBay、Nestle、Betfairなどの名前がある。
StatCounterは膨大な量の世界中のウェブサイトウェブトラッキングサービスを提供している。Google Analyticsと似ているが、はるかに長く運用されており、無料で登録できてすぐにトラッキングを始めることができる。有料アカウントを取れば、より詳細なレポートやオプションを得られる。
StatCounterはGoogleでページランク10を持つ数少ないウェブサイトのひとつだ。このサイトは、Google.comを別とすれば、ウェブ上で最もバックリンクされているサイトだ。
HostelWorldはアイルランドの新興企業で最も成功しているもののひとつだ。同社は1999年に世界中のホステルの予約を合理化するというゴールを掲げてスタートした。Hostelworldは旅行者やバックパッカーから、世界中の5万以上ものホステル施設の宿泊予約を受け付けている。彼らは70人以上のスタッフを抱えており、あるレポートによれば、取り扱う予約の総額は一日当たり100万ドルを超えるという。これは、彼らが出資者に対して説明している最大10億ドルという事業評価額の後ろ盾ともなる数字だ。
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