自分の生活をデータ化し、改善するシンプルなバンド--「UP by Jawbone」レビュー - (page 3)

自分の睡眠をハックする

睡眠計測のグラフ。寝付くまで、浅い眠り、深い眠りが克明に記録される。点線は睡眠に入った時間と、スマートアラームが動作した時間を示す
睡眠計測のグラフ。寝付くまで、浅い眠り、深い眠りが克明に記録される。点線は睡眠に入った時間と、スマートアラームが動作した時間を示す

 筆者がUPでもっとも気に入っている機能は、睡眠の計測だ。

 当たり前の話だが、夜自分がどのようなパターンで睡眠しているのかを意識して、知っている人はまずいないだろう。UPでは寝ている間もそのまま装着していられるため、詳細な眠りのデータを記録して、朝起きてすぐにアプリでチェックできる。

 UPを装着して、ボタンを長押しすると三日月のアイコンが光り、睡眠モードに入ったことを知らせてくれる。ベッドに入るときに睡眠モードに切り替えて、寝始める。しばらく寝付けないでいてたことも、克明に記録されているから驚かされる。普段の活動時よりもより詳細なセンサの動きを記録することで実現している。

 睡眠中は、起きている状態(グラフのオレンジ)、浅い眠り(水色)、深い眠り(青)の3種類のパターンが記録される。いわゆるレム睡眠とノンレム睡眠に該当し、多くの人が一定のサイクルを繰り返して、朝になると目覚める。アプリでは、それぞれの眠りの合計時間や、トイレに立った時間も分かるのだ。

 こうした詳細なデータに加えて、目覚めの善し悪しや、1日中眠かった、といった感覚や体調を自覚するフィードバックと照らし合わせて見ると、「12時前に寝るとすっきり起きられる」「深い眠りが2時間を越えていれば、翌日すっきり活動できる」といった経験値が得られる。個人差が大きな部分であるが、日々の睡眠をどのように良いものにするか、試せるようになる変化は大きい。

 またUPには内蔵しているバイブレータを生かした目覚まし機能がある。例えば朝7時に起きたい場合、7時より前、20分以内の浅い眠りのタイミングで手首が振動するため、ほとんど確実に目覚められるようになった。目覚まし時計の音はいくら大きくても起きなかった筆者からすると、画期的な変化だった。

 休日などに寝坊をする場合でも、眠りのグラフでアラームが鳴った時間が表示されるため、幸せな2度寝までデータ化できている。今まで無意識、無自覚だった行動がデータ化され、対策や自分のパターンを知ることができ点は非常に価値が高く、睡眠計測と目覚ましはUPを使う大きなインセンティブになるだろう。

データベースからのアドバイスとソーシャルが次なる要素に

日々の生活改善のアドバイス。自分の計測データを示しながらのコメントは説得力がある
日々の生活改善のアドバイス。自分の計測データを示しながらのコメントは説得力がある

 UPを使っていると、日々のアドバイスが表示される。例えば、「毎週水曜日は歩数が伸びる傾向にあるので、今週も頑張ろう」「先週はぜんぜん歩いてなかったじゃないか」と言った具合だ。

 しかも単なる言葉だけでなく、自分がUPで計測したデータを引き合いに出し、「先週の1日の平均は8730歩だった」という情報を提供してくれたり、「朝起きて朝食前に10分歩くと、代謝が上がり1000歩追加できる」という具体的なアドバイスをくれる。

 またUPには体調や気分の記録も可能だが、気分が優れないというムードの設定にしている場合、「この1週間、7時間40分しか運動していないが、研究ではもっと運動すると気分が良くなる」という原因と改善案を示してくれる。

 UPによる計測結果を受けたコメントには自分の傾向をつかむのに役立ち、また説得力がある。生活改善に関するデータベースは、様々なヘルスケア企業や保険会社が構築しているが、こうした情報を自分のログと組み合わせて知ることは、非常に価値があり、身近なソリューションを試すチャンスを与えてくれる。

 UPではまず自分を知ることにフォーカスを当てて過ごすと良いが、「チーム」と呼ばれる他のUPユーザーとつながってアクティビティを見せ合うことによって、モチベーションを高めたり、良い気分をキープするヒントを得たりできる。例えば夏の寝苦しい時期に快眠している人を見つけたら、その人にコメントで質問しても良いのだ。

 起きている時間、寝ている時間を問わず装着し、今まで知らなかった自分の生活の様子を可視化してみる。そこに少しずつ、今までと違った行動を試して変化を見る。自分のカラダや体調、気分の変化というフィードバックが得られると、今まで体験したことがない楽しさを体験できる。

 一度この楽しさを体験すると、自分との対話のアシストしてくれるUPが手放せなくなるだろう。

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