電通が2007年の日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2007年(平成19年)日本の広告費」を発表しました。新聞、テレビ、ラジオ、雑誌のマスコミ4媒体は3年連続して前年を下回る一方で、4年連続増加となったインターネット広告費がついに雑誌広告費を抜き去りました。
資料によれば、2007年の国内広告費7兆191億円のうち、テレビ広告費は1兆9,981億円(前年比0.9%減)、新聞広告費は9,462億円(同5.2%減)、雑誌広告費は4,585億円(同4%減)、ラジオ広告費は1,671億円(同4.2%減)でした。インターネット広告費は前年比24.4%増で6,003億円。特に拡大傾向にあるのは、クロスメディア手法の定着したSEM市場(前年比37.8%増)や、ナショナルクライアントにも活用され始めたモバイル広告(同59.2%増)です。
インターネット広告はこのまま成長を続けるのでしょうか。また今後注目されるであろう広告とはどのようなものでしょうか。パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。
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小越崇広さん (株式会社 CA テクノロジー トレンドアナリスト/ウェブマーケティングプランナー)
インターネットのトラフィックには2種類あると考えています。
すなわち、「あの本が欲しい」「この店が知りたい」という
目的がはっきりと顕在化しているトラフィックと、
暇だから使っていますというような、ネットを使うこと
そのものが目的になっているトラフィックです。
個人的に注目しているのは、後者の使用すること
そのものが目的のトラフィックのCPMを
如何に大きくしていくかということです。
現在、このトラフィックのCPMを引き上げる手法として、
分かりやすいところでは行動ターゲティングの出し先媒体になる、
または、ユーザー自身が参加する形にしてしまうという
2つがとられています。
トラフィックが増えれば増えるほど価値が高まるという意味では、
少々変り種ですがアバターモデルも実はトラフィックをうまく
お金に換えているといえます。
いずれにせよ、莫大なこのトラフィックをマネタイズする、
おもしろいアイディアに注目しています。
2008-03-03 16:42:23