国内ベンチャーの海外進出ってどうなの?

2008年2月23日 00時00分

 世界に通用するサービス・製品が日本から出てこないと言われているなか、日本のベンチャー企業が海外に進出する例が目立ってきました。提供するサービスを多言語化して海外の利用拡大を図ることは珍しくありませんし、また国外に拠点を設立して、本格的に海外進出に乗り出す企業もあります。最近のニュースでも、渡米した元サイボウズ創業者の高須賀宣氏が統合ウェブアプリケーションソフト「LUNARR」をリリースしたり、ライブドアが海外のエンジニアを巻き込むためにRSSリーダーのオープンソース版を公開したりするなど、話題に事欠きません。一方で、改めて京都をモノ作りの拠点に定めたはてなのように、日本の中からシリコンバレーのような場所を創出し、インターネット産業の流れを変えたいと考える企業もあります。

 日本のベンチャー企業と海外進出、あるいは国内の活性化。パネリストの皆さんはこれらのテーマについてどのような意見をお持ちでしょうか。


  • 小川浩(@ogawakazuhiro)
    小川浩(@ogawakazuhiro)さん (株式会社リボルバー CEO)
    僕の起業家人生は東南アジアでスタートした。いわゆる華僑からの資本を集めて会社を作った。思うに、やる気があれば、どこであろうと誰であろうと起業はできるし、逆に黄金律はなく、世界を目指すか(目指せるか)は、その人次第だろうと思う。

    ただ、日米のVC事情を比較すると、ベンチャー側からするとやや残念に思うところが多々ある。たとえば、
    ・日本のVCにはテクノロジーを理解していない人が多い
     (金融系出身者が多いからか?)
    ・日本のVCは自分で事業をやったことがある人はほとんどいない
    ・反対に米国のVCは、テクノロジーを理解している人が多い
    ・米国のVCおよびエンジェルは自らが起業家であることが多い

    だからテクノロジーオリエンテッドなベンチャーに資金が大量の資金が集まることが少ない。そして、当面の資金を得るために(VCが理解してくれやすい)コンテンツ事業にいくか受託に頼らざるを得ないことが多くなる。どちらも言語や地域に縛られ、どうしてもローカルビジネスになる。だから、グローバルになりづらいし、スケールしない。また、それなりにローカルと言っても市場が大きいので、まずそこにフィットしようとしてしまうのもやむを得ないところかもしれない。

    僕たちが本気で取り組むべきは、日本発のテクノロジーを極めることだと思う。コピーキャットではなく、オリジナルのアイデア、オリジナルの技術、自分たちだけのこだわりをもっと持つべきだろう。
    米国には無数の「孤高の存在」があり、その中のほんのわずかが成功し、そして世界を目指している。逆に言えば多くは失敗している。それでもチャレンジするところがシリコンバレー気質なのではないか?
    だから僕たちも、ただひたすら挑戦し続けるしかない。

    米国に住めばいいというわけではないし、シリコンバレーを日本に作ることが正解というわけではないと思う。

    軽口をたたいてみると(^^)、もし政府がベンチャー経済特区みたいなものを作ってくれるとしたら、横浜や湾岸地区などがいいと思うな。世界を目指すなら、海が近いところの方がより気分が乗ると思う。長崎でも神戸でもいいのだけど。閉鎖的な土地ではなく、開放的な空間のほうがあっていると思う。
    まあ、冗談ですけど。



    2008-02-23 12:29:30

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