優れた日本の技術系ベンチャーを世に広めていきたい――。そんな国内の有志たちの想いを基盤としたイベントが2月20日、都内で開催された。
Venture BEAT Projectの協力を得て、シーネットネットワークスジャパンが主催、首都圏情報ベンチャーフォーラムが共催となり、「Tech Venture 2008」および「BEAT Forum 2008」を開催。今後の活躍が見込まれるベンチャー10社を表彰するとともに、関連講演と対談が実施された。
アイ・ブロードキャストとエンターモーション、シリウステクノロジーズについては「日本の強みとなるモバイル分野で独自性に優れたサービスを提供している」と評価。受賞企業群におけるもう一つの特徴だった動画関連サービスを提供するウタゴエ、エニグモ、ニワンゴについても「ユニークで将来性を感じる」とした。コミュニティーエンジンはさまざまなオンラインゲームを支えるミドルウェアの技術力、オークファンは「目の付けどころがいい(ネット競売支援サービスである)」(同)ことなどが審査員たちの目にとまった。
また、受賞企業のほぼ半分がネット利用者たちの存在を活用し、一企業だけでは提供しづらいサービスを実現する「Web 2.0」や「People Ware」と呼ばれる提案をしている企業であることも、特徴の一つとして挙げられる。
受賞企業の代表者たちからは受賞の喜びが述べられるとともに、「これからも明るく楽しく、世の中を便利にしていきたい」(シリウステクノロジーズ社長の宮澤弦氏)、「米国でできなかったサービスを、今、日本のエンジニアたちが日本で作っている」(アイ・ブロードキャスト社長の上田拓右氏)、「米Appleのようにライフスタイルが変わるような提案をしていきたい」(PTP社長の有吉昌康氏)、「いつまでもサービスを使う消費者の感性を忘れずに頑張っていきたい」など今後の抱負と決意が語られた。
ITが最近暗い――。Tech Venture 2008の受賞式に先立ち、BEAT Forum 2008の基調講演に登壇した経済産業省情報政策課企画官である村上敬亮氏の冒頭の指摘は、開催されたTech Venture 2008の一方で、国内外の技術系ベンチャー界隈の関係者たちが持つ危機感を代弁している。
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