近いうちに発表されるとみられるサムスンの新型スマートフォン「Galaxy S24」「Galaxy S24 Ultra」(仮称)は、プロセッサー、カメラ、デザインの順当な進化に加えて、人工知能(AI)を活用した新機能の搭載がうわさされている。
サムスンは2024年初めにも新型スマートフォンを発表するとみられているが、市場にはすでに強力なライバルがひしめいている。特に手強いのは、刷新されたカメラシステムやProモデルの高級感あふれるチタン製ボディなど、充実のアップグレードがなされたAppleの「iPhone 15」と「iPhone 15 Pro」だ。Googleの最新スマートフォン「Pixel 8」と「Pixel 8 Pro」も、AIを活用した写真編集ツールなどの新機能を搭載している。
しかしサムスンのスマートフォンも常に強力であり、新モデルへの期待は大きい。サムスンの次世代スマートフォンに搭載される機能や、発表日、価格に関するうわさをまとめた。
もちろん、うわさはうわさであって、うのみにするべきではない。また、うわさの内容は刻々と変化していることに留意してほしい。
「Galaxy S23」シリーズは2023年2月、「Galaxy S22」シリーズは2022年2月に開催されたサムスンの新製品発表イベント「Galaxy Unpacked」で発表された。このパターンに従えば、Galaxy S24は2024年2月に発表され、その後数週間以内に発売される可能性が濃厚だ。しかし、例年より早いタイミングで発表される可能性もあり、例えば韓国のニュースメディア「SBS Biz」は発表日を1月17日頃と報じている。
価格に関しては、まだ確度の高そうな情報はないが、Galaxy S23シリーズから大きく変わる可能性は低い。参考までに、Galaxy S23シリーズの価格はベースモデルが800ドル(日本では13万円台)、S23+が1000ドル(日本未発売)、S23 Ultraが1200ドル(日本では19万円台)からだ。Galaxy Sシリーズは、ユーザーの予算に合わせて複数のモデルが用意されており、これはサムスンがほとんどの世代のスマートフォンで採用してきた戦術だ。
2023年に発売された「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」は、前年モデルと同等の価格帯を維持していたため、サムスンの価格戦略が大きく変わる可能性は低い。
サムスンの正式発表まで具体的な仕様は分からないが、すでにAI技術を導入することは発表されているため、AIを活用した新機能がGalaxy S24の目玉となる可能性は高い。
サムスンは先日、「Galaxy AI」を発表し、2024年初めに登場するスマートフォンに「AI体験」を提供すると説明した。Galaxy AIの詳細はまだ不明だが、同社は活用例として通話のライブ翻訳機能を挙げた。プレスリリースによると、Galaxy AIはネイティブの通話機能に統合され、通話相手の言語が自分の言語と異なる場合、相手の音声をリアルタイムで翻訳するという。
サムスンは11月に独自の生成AIモデル「Samsung Gauss」も発表した。Gaussは「Gauss Language」「Gauss Code」「Gauss Image」の3つの要素で構成され、Gauss Languageは文書の要約や翻訳、Gauss Codeはソフトウェアの開発支援、Gauss Imageは画像の修正や生成に活用されるという。
こうした発表から考えて、Galaxy S24シリーズではGalaxy AIとGaussが大きな役割を果たすことは間違いないだろう。
これはほぼ確実だ。前述したように、サムスンは以前から複数のモデルを用意する戦略を採用してきた。現在のうわさでは、Galaxy S24シリーズにはベースモデルとUltraモデルの少なくとも2種類が用意されるという。ベースモデルとUltraモデルの差を明確にするために、+(プラス)モデルは廃止されると予測している人もいるが、この点は業界アナリストの間でも意見が分かれている。
「X」(旧Twitter)で活動しているリーカーのRevegnus(@Tech_Reve)氏は、少なくともGalaxy S24のベースモデルと+モデルについては、2023年のデザインをほぼ踏襲する可能性が高いとみている。カメラについては、Galaxy S22とGalaxy S22+のようにカメラユニットをまとめて本体に配置するのではなく、Galaxy S23シリーズのように、それぞれのカメラレンズが独立して背面に配置されるスタイルになるという。
Galaxy S24 Ultraについては、軽量で堅牢なチタン製フレームが採用されるといううわさもあるが、これが見た目の変化につながるかはまだ分からない。David Martin氏がX上で流したリーク情報によれば、Galaxy S24 Ultraにはこれまでのやや湾曲した画面に代わり、フラットディスプレイが採用される可能性もあるという。
ディスプレイのサイズは変わらないという見方が大勢を占める。現在はベースモデルが6.1インチ、+モデルが6.6インチ、Ultraモデルが6.8インチだ。
カメラに関して、はっきりとした情報はまだない。Ultraモデルについては、4月の報道ではメインカメラのセンサーが大幅に大きくなるとされていたが、6月のうわさでは、カメラのスペックは基本的に変わらないとされた。
後者のうわさは、著名リーカーのIce Universe氏が主な発信源だ。同氏はこれまでも多くの予想を的中させてきた人物なので、メインカメラのセンサーが大きくなる可能性は低いかもしれない。だとすれば残念だ。AppleやGoogleとの競争は依然として激しいにもかかわらず、Galaxy S23 Ultraのカメラは数世代前から大きく変わっていない。カメラセンサーの大型化は画質の向上に大きく貢献する可能性がある。ただしGalaxy S24 Ultraでは、3倍ズームカメラの解像度が5000万画素に大幅に引き上げられる可能性があるとIce Universe氏は指摘している。
Ice Universe氏を発信源とする最近のうわさでは、Galaxy S23 Ultraの光学10倍ズームがGalaxy S24 Ultraでは5倍ズームに変更される可能性があるという。これは、表面的にはダウングレードのように見えるが、日常的な使い勝手は5倍ズームの方が上だ。10倍ズームが役立つのは遠くの被写体を撮影する時くらいで、めったにない。高品質の5倍ズームが搭載されれば、Googleの「Pixel 7 Pro」やAppleの「iPhone 15 Pro Max」に搭載されている5倍ズームレンズと互角に戦える。
Galaxy S24シリーズでは、AIが大きな役割を果たすと予想されているため、カメラ機能にも何らかの形でAIが取り入れられる可能性は十分にある。
Galaxy S24シリーズの一部のモデルに「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」プロセッサーが採用されることはほぼ間違いなさそうだが、Pocket-lintの報道によると、一部の地域ではサムスン独自のチップ「Exynos」が採用される可能性もあるという。
Galaxy S22シリーズを含めて、過去のGalaxyは一部の地域(日本や米国など)ではQualcomm製チップを、他の地域(英国など)ではExynosを採用していた。理由は必ずしも明確ではないが、Galaxy S23シリーズでは地域を問わず、すべてのモデルにQualcommのプロセッサーが採用され、Exynosの姿はどの地域でも見られなかった。
しかし最近発売された廉価モデル「Galaxy S23 FE」は地域によってExynosを採用しており、2024年発売のGalaxy S24シリーズでは再び、モデルによって搭載チップが変わる可能性がある。
他のリーク、例えばリーカーのTarun Vats氏によるXへの投稿では、搭載されるRAMがベースモデルと+モデルでは12GBに、Ultraモデルでは16GBに増える可能性があるという。
現時点では、信憑性のありそうなうわさはこのくらいだ。米CNETとしては、Galaxy S24 Ultraに引き続きスタイラス「Sペン」が搭載されること、全モデルに新しいカラーバリエーションが用意されることも期待したい。SDカードの復活も熱望しているが、これは望み薄だろう。それ以外では、すべてのモデルにIP68防水性能、画面内の指紋認証、高リフレッシュレートのディスプレイが搭載されることを期待している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果