リモートミーティングの強い味方--キヤノンのマスク型減音デバイス「Privacy Talk」レビュー

 コロナ禍を経て、ミーティングはすべてリモートでも対面でもない、ハイブリッドの状況が当り前になりつつある。社内の会議室が不足しがちというのも、よく耳にするようになった。

 特に困るのが、対面の予定の合間にリモートミーティングの予定が入ること。最近は駅やビルのエントランスなどに、ボックス型のレンタルワークスペースも増えているが満席なことも少なくなく、やむを得ず周囲に人がいる場所から出席せざるを得ないケースもある。先方の音はヘッドホンを使用すれば問題ないが、自分の話す声はどうしても周囲に聞こえてしまう。

 キヤノンマーケティングジャパンの企業内ベンチャーが開発した「Privacy Talk」は、まさにそういったシーンに役立つ、話し声を減音するためのマスク型のデバイスだ。10月31日の10時から応援購入サービスのMakuakeで、先行販売をスタートした。価格は2万3400円で、15%OFFの超超早割や、10%OFFの超早割、5%OFFの早割といったプランが用意されるほか、バッテリーや充電器とのセット販売や、法人向けの複数端末セット販売も行われる。短期間ではあるがひと足先に試す機会を得たので、使用感をレポートしたい。

セットには、シリコン製のマウスパッドを装着したデバイス本体と、マスク型のファブリックカバー、複数サイズのイヤーパッド、巾着袋が同梱されていた
セットには、シリコン製のマウスパッドを装着したデバイス本体と、マスク型のファブリックカバー、複数サイズのイヤーパッド、巾着袋が同梱されていた

 Privacy Talkは、イヤホンとマイク、換気ファンを搭載したカップ状のデバイス本体と、その前面の顔に当たる部分に装着するシリコン製のマウスパッド、本体をスッポリ覆って口元に固定するマスク型のファブリックカバーがセットになっている。本体とカバーは面ファスナーで固定できるようになっており、マスクの紐を耳にかけることで、マウスパッドが口の周りにしっかりと押しつけられるしくみだ。デバイスが口を覆う構造によって外に声が漏れにくくなるだけでなく、環境音なども入りづらいため、相手にクリアな声を届けられる。

 単純に口を覆うから声が外に漏れないのではなく、空気を通しつつ音を吸収するAMG(Acoustic Metamaterials Group)の音響メタマテリアルという技術を活用。口の周りにこの技術を使った特殊な素材を用いることで、通気性を確保しつつ音が漏れにくくなっている。さらに息による蒸れを防ぐために、内部にはファンも搭載されているのだが、2つのマイクを使用してその駆動音を打ち消す工夫もされている。息苦しくなく話せて周囲に声を漏らさず、かつリモート会議の相手にはクリアな音声を届けられるというわけだ。

USB type-Cで充電、Bluertooth接続のほか、有線でも接続できる。充電中は、前面にある電源ボタンのランプが点灯
USB type-Cで充電、Bluertooth接続のほか、有線でも接続できる。充電中は、前面にある電源ボタンのランプが点灯
マスク型のファブリックカバーと本体は、2箇所の面ファスナーで固定する
マスク型のファブリックカバーと本体は、2箇所の面ファスナーで固定する
内側には左右にそれぞれファンとイヤホンがある。2つのマイクで駆動音を打ち消すしくみだ
内側には左右にそれぞれファンとイヤホンがある。2つのマイクで駆動音を打ち消すしくみだ

 USB type-C端子を備えた充電式で、フル充電で3時間のバッテリー駆動が可能。Bluetoothのほか、USB type-CでPCやスマホに有線で接続することもできる。Windows10以降、macOS11以降、iOS12以降、android10以降のPCやスマホ、タブレットで利用可能。実際に出先でPCとBluetooth接続をして使ってみた。

PCとのペアリング、使い勝手は?

ペアリングの方法は、一般的なBluetoothヘッドホンと同じ。デバイス本体の前面にある電源ボタンを長押しすると、ボタンのLEDが点滅してペアリングモードになるので、PC側で検索して登録する
ペアリングの方法は、一般的なBluetoothヘッドホンと同じ。デバイス本体の前面にある電源ボタンを長押しすると、ボタンのLEDが点滅してペアリングモードになるので、PC側で検索して登録する

 Bluetoothヘッドホンと同様にペアリングし、Zoomなどのリモート会議ツールで、スピーカーとマイクに指定するだけ。マスクの紐を耳にかけてデバイスが口を覆うように装着し、デバイスから伸びるイヤホンを左右の耳に入れれば、準備が完了する。イヤホンはカナル型で、自分の耳のサイズにあわせてイヤーピースを交換可能。今回はZoomの音声でしか試せていないが、装着感や音質に気になるような点は特になかった。

 一般的なマスクに比べると大きく、やや前に突き出してもいるので、よく見ると違和感があるのだが、筆者の印象だと周りはそこまで気にしていないというか、奇異な目で見られるようなことはなかった。正面から見ると突き出していることがわからないので、リモート会議の相手には少し大きめのマスクを着けているだけのように見えるはずだ。

装着した様子。よく見るとマスクが大きすぎるが、際立って目を引くほどではない
装着した様子。よく見るとマスクが大きすぎるが、際立って目を引くほどではない
紐の長さや面ファスナーを止める位置をで、ベストなポジションに調整できる
紐の長さや面ファスナーを止める位置をで、ベストなポジションに調整できる
カメラにはこのように映っている。それほど違和感はないはずだ
カメラにはこのように映っている。それほど違和感はないはずだ

 肝心の音漏れも、もちろん周囲の状況や静かさにもよるのだろうが、1メートルほど離れれた場所からだとほぼ聞こえない。比較的静かな場所行ったテストでも、何か話しているということはわかるものの、その内容までは聞き取ることができなかった。電車くらい密接な距離感で隣に座っていれば、あるいは聞き取れるかもしれないが、カフェの隣の席くらいの距離があれば、まず聞き取れないのではないか。

 一方で、リモート会議の相手側には声がしっかりと聞こえていた。周囲の音もほとんど入らないので、聞き取りやすいと感じた。ただ、口を押さえているので滑舌良く話すのは難しく、少しもそもそとしたくぐもった話し方になってしまうのは致し方ない点か。1時間ほど着けっぱなしにしても息苦しさを感じることがなかったが、188gと軽量とはいえスマホ並みの重さのデバイスを紐で固定しているため、長時間だと耳が痛くなった。ただし筆者は普通のマスクでも耳が痛くなりやすいので、このあたりの感じ方には個人差がありそうだ。またファンがあるとはいえ多少は蒸れるようで、外したら中に少し水滴が付いていた。

 つねにこのデバイスを使ってリモート会議に参加したいかと聞かれると、微妙ではあるものの、外出先のカフェなどで会議に参加せざるを得なくなってしまったときや、機密情報を扱う会議に参加する際など、いざというときのデバイスとしては、かなり頼りになりそうだ。一見するとただ大きなマスクをしているだけに見えるため、際立って目を引くほどではないのも使いやすいと感じた。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]