EMG(筋電図)は神経と筋肉の電気活動を測定する。Galeaでは、このセンサーがヘッドセットのフェイスマスクのあちこちに配置されており、額や目、頬の動きを検知する。顔の筋肉を少し動かすと、そのときの電気信号が測定される。しかし、特定の物理的な動きを監視する「Meta Quest Pro」のようなVRヘッドセットのフェイスカメラとは異なり、EMGセンサーの測定値はすべて電気信号に基づくものだ。理論的には、単純な神経インパルスのような非常に小さな動きも検知できる。Metaも、未来のヘッドセットで使用できるリストバンド用にEMGテクノロジーを開発している。しかし、こちらはリストバンド用のテクノロジーなので、手首を通して指と手の動きを測定するだけだ。OpenBCIのセンサーは顔を監視している。
EDA(皮膚電気活動)は、皮膚の汗を電気的に測定する。ストレスの感知に使用されることが多い。Fitbitは、ストレスを測定するために、独自のEDAセンサーを「Fitbit Sense」スマートウォッチに組み込んでいる。OpenBCIのEDAセンサーは、ヘッドセットの前頭部に配置されている。
PPGは、光学技術を使用して心拍数を測定(光電式容積脈波記録法)する。ほとんどのスマートウォッチにすでに搭載されているセンサーとよく似ている。Galeaの完成品では、PPGは額でも測定される。しかし、筆者が体験したデモでは、イヤークリップを装着してPPGを測定した。
センサーアレイは、既存のVR/ARヘッドセット「Varjo XR-3」(または低価格の「Varjo Aero」)と統合されており、PCと接続することでソフトウェアの実行やデータの分析ができる。Varjoの高解像度ディスプレイとビデオパススルー技術によるMRは、OpenBCIのセンサーに、VRやARタイプのシナリオで使用できるソフトウェアの可能性を数多く与えている。しかし、OpenBCIのセンサーアレイは、VRヘッドセットから独立して動作したり、ほかのヘッドセットと接続したりすることも可能だ。
AppleのVision Proも、強力な処理性能と単体で動作する機能を備えていることから、OpenBCIにとって理想的なプラットフォームになるかもしれない。OpenBCIの最高経営責任者(CEO)で共同創設者でもあるConor Russomanno氏によると、Vision Proのようなものや未来のARとVRのプラットフォームに取り組む可能性は十分あるという。同氏はAppleの最近の動きについて、MRのコンピューター的な側面を強調していると語った。OpenBCIもMRのさまざまなチャンスについて、全く同じように考えている。
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