ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone 7 Ultimate」は、前のモデルから外見こそ大きくは変わっていないが、内部とソフトウェアに関しては大幅な進歩を遂げている。現地時間4月13日に発表され、価格は1399ユーロ(約20万5000円)からとなる。デザインの見た目と個性は、かなりの部分を2022年モデルの「ROG Phone 6 Pro」から受け継いでいる。背面のLEDインジケーター、2日間は余裕で持続する6000mAhバッテリー、タッチサンプリングレート720Hzで反応性が極めて高いタッチスクリーンなどだ。大きな変更が加えられているのはほとんど内部であり、Qualcommのチップが「Snapdragon 8 Gen 2」にアップグレードされ、ゲームプレイをカスタマイズする新しいソフトウェア機能が追加されている。
本体の背面には、隠し扉まである。「AeroActive Portal」と呼ばれており、付属の冷却ファン「AeroActive Cooler 7」を取り付けるとき、そこが開口部になる。プレイ時間が長いときには、ここから冷気を直接取り入れて内部の加熱を抑える仕組みだ。
こうしたゲーミング固有の機能だけではなく、スマートフォンとしての機能にも新たな向上が見られる。ASUSは、2世代分のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを約束している。サムスンの「Galaxy S」シリーズの一部のモデルではOSアップデートが4世代分保証されているので、それと比べれば短い方だが、このようなサポート期間が約束されているのはありがたい。また、「Background Mode」というモードがあり、ゲームの自動的なタスクをバックグラウンドで実行したまま、スマートフォンを他の用途に使うことができる。
このようにスマートフォン機能も向上しているとはいえ、ROG Phone 7 Ultimateで優先されているのは、この価格帯で話題になりがちな機能や特徴ではなく、やはりゲーミング機能だ。例えば、デザインが縦長なのだが、その理由の1つは前面カメラの配置にある。一般的な「Android」スマートフォンのようにディスプレイの切り欠き部分ではなく、6.7インチAMOLEDディスプレイの上のベゼルに配置されているのである。画面上にゲームプレイを邪魔するものがなくなるので、ゲーマーにとってはメリットになりそうだ。しかし、「Galaxy S23+」や「iPhone 14 Pro Max」といった大型画面のスマートフォンに慣れていても、そのディスプレイ以上であるROG Phone 7 Ultimateの大きさには圧倒されるかもしれない。重量も246gあるので(iPhone 14 Pro Maxより若干重い)、似たサイズで196gのGalaxy S23+と比べると、やはり重く感じられる。
ワイヤレス充電には対応していないが、その不足は有線65Wの急速充電で補っている。そして、パッケージにはACアダプターも付属する。
写真に関しては合格点というところだろう。同価格帯のGalaxyや「Pixel」シリーズのカメラおよびソフトウェアの水準には及ばないが、撮影環境が屋内でも屋外でも、ディテールは妥当な範囲だ。
ROG Phone 7 Ultimateは、携帯PCゲーミング市場が勢いづいてきている中での登場となり、ASUS自体も、Valveの「Steam Deck」と競合する製品として「ROG Ally」を発表したばかりだ。ROG Phone 7 Ultimateは、PCゲームライブラリに対応する携帯ゲーミングデバイスをうたっているわけではないが、Android用に作られたゲームを最大限に楽しもうとしているユーザー向けの機能やカスタマイズ機能は充実している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス