しかし、iFixitのリペアラビリティスコアでサムスンのGalaxy S23が受けた評価は、10点満点中4点にとどまる。このスコアは、Galaxy S22の10点満点中3点という評価からは改善されたものの、まだやるべきことがたくさん残っていることを示している。iFixitは、サムスンがGalaxy S23にバッテリー用のプルタブを追加した点を評価した。これにより、理論的にはバッテリーの取り外しが容易になるはずだ。さらに、Galaxy S23シリーズ向けの修理マニュアルと部品が提供されたら、もう2ポイント加点する、とiFixitは述べている。
サムスンは修理プログラムの成熟に合わせて、対象となる製品と部品を拡充していく予定だとしている。また、修理する数は、市場に長く出回っているモデルほど多くなる傾向にあるという。
スマートフォンを修理しやすくすることは、ライフサイクルを延ばす上で重要である。サムスンなどの巨大テクノロジー企業や通信事業者が下取りを奨励しているにもかかわらず、リサイクル率は思ったほど高くないため、なおさらだ。国連と国際廃棄物協会のレポートによると、2019年に正式な手順で回収され、リサイクルされた世界の電子廃棄物はわずか17.4%にすぎなかったという。
Gartnerのプリンシパルアナリストで、持続可能性の研究を専門とするAutumn Stanish氏は以前、米CNETに対して、「可能な限りライフサイクルを延長し、再使用する必要がある」と述べている。「だからこそ、修理のしやすさは、デバイスの完全なリサイクル性よりも先に目指すべき重要な要素だ」
保証サービスを提供する「Samsung Care+」チームは、新製品が発売されると、技術者を教育して、機器を用意し、修理センターに部品の在庫を確保する。これは通常の状況では非常に難しいことだ。しかし、サムスンは、不具合のある製品が消費者の手元に届けばどうなるのかを、多くのテクノロジー企業よりもよく心得ている。
サムスンは2016年、バッテリーの発火や爆発が相次ぎ、「Galaxy Note 7」をリコールしている。2019年には、初代「Galaxy Fold」について一部のレビュアーから画面に関する問題の報告を受けたことで、発売延期を余儀なくされている。
問題が発生すると、チームは「作戦室」に集まって問題を特定する、とWilliams氏は話す。そうした対応は今後、さらに重要になる可能性が高い。サムスンは、現行のスマートフォンをより修理しやすくすることを目指しているだけでなく、巻き取り式やスライド式の画面を備えた未来のデバイスも模索しているからだ。
「問題を一刻も早く特定する。おそらくそれが最も重要なことだと思う」(Williams氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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