サムスンの巨大施設に見るデバイスの即日修理を目指す取り組み - (page 2)

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年04月14日 07時30分

 徹底的な修理工程は、デバイスがセンターに到着し始める午前10時30分に開始される。搬入エリアの周囲に設置されたカメラが、到着したパッケージやデバイスの状態を記録する。いつ到着したかが分かるように、製品は色分けされたトレーに入れられる。例えば、火曜日分は赤色のトレー、水曜日分は緑色のトレーとすると、作業員は赤色のトレーを優先しなければならないことが分かるようになっている。

色分けされたトレー
提供:Samsung

 受領手続きが完了すると、デバイスは、同社がIQCと呼ぶ到着時品質チェックエリアに送られ、技術者が問題の原因を特定するためのテストを行う(ほとんどは自動化されている)。その後、テスト結果をユーザーが訴える不具合の症状と比較する。

 画面の修理工程は、分解ステーションから始まる。ここでは、本体を分解しやすくするために、高温のプレートを使用してデバイスを熱し、接着剤を柔らかくする。本体内部のクリーニングが完了し、ディスプレイをフレームに接着するテープが貼られたら、新しい画面とベゼルをデバイスに取り付けてプレスし、接着して固定するプロセスへと移る。いずれの工程でも、専用の機械が使用される。

figure_4
画面の分解ステーションで利用されているホットプレート
提供:Samsung

 デバイスを再び組み立てたら、樹脂接着を行い本体に防水処理を施す。その後、空気圧を利用したマシンを使用して防水性をテストし、デバイスを所有者に返送する前に、実際のIP等級に適合していることを確認する。このほかにも、4Gや5Gをテストしたり、カメラを調整したりする機械もある。

即日修理という目標に向けて

 サムスンで郵送修理事業担当シニアディレクターを務めるJohn Meagher氏によると、診断から修理作業、そして、最後の返送前の品質チェックまでのプロセス全体にかかる時間は、おおよそ4~7日だという。スマートフォンなしで過ごすには長い。

 Williams氏が語ってくれたところによると、同社は2023年第2四半期に、郵送修理用の地域センターを2つ増開設することで、この問題に対処しようとしているという。ダラスに開設されるセンターはテキサス州とオクラホマ州、フロリダシティに開設されるセンターはフロリダ州とジョージア州のユーザーを対象とすることで、アービングの主要な修理センターは、米国のそれ以外の州のユーザーにサービスを提供できるようになる。センターの数を増やすことで、対象の地域の配送時間も短縮されるだろうと同氏は話す。この2つのセンターが成功すれば、北東部と西部にもそれぞれ新しい修理センターを開設したい考えだ。

画面の接着に使用されている機械
画面の接着に使用されている機械
提供:Samsung

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]