CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は2月11日と12日に、東京ドームにて行われた「アイドルマスター」シリーズのライブイベント「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023」(MOIW2023)の模様ならびに、公演終了後に行われたキャストインタビューの模様も含めてお届けする。
「アイドルマスター」は、2005年にアミューズメント施設向け(アーケードゲーム)アイドルプロデュースゲームとしてリリース。以降、家庭用ゲームソフトやモバイルコンテンツをはじめ、ラジオやTVアニメなどクロスメディア展開を行っている。
ステージイベントを経て、1stライブにあたる、2006年に開催された1周年記念の「THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE」より、ライブイベントも本格展開。以降、キャスト陣によるライブステージは、派生したシリーズブランドを含め恒例のイベントとなっている。
MOIW2023は、「アイドルマスター」「アイドルマスター シンデレラガールズ」(シンデレラガールズ)「アイドルマスター ミリオンライブ!」(ミリオンライブ!)「アイドルマスター SideM」(SideM)「アイドルマスター シャイニーカラーズ」(シャイニーカラーズ)の5ブランド合同ライブとして行われたもの。過去にブランド合同ライブは、2014年にさいたまスーパーアリーナで「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」、2015年にシリーズ10周年記念ライブにもなっていた「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015」を西武プリンスドーム(現ベルーナドーム)で開催。今回は、実に8年ぶりの合同ライブとなった。
SideMとシャイニーカラーズはMOIW初参加で、5ブランドで行うのは初めて。あわせて、東京ドームで単独ライブを行うのも、アイドルマスターシリーズとして初めてとなっている。出演するアイドル(キャスト)が2日間で総勢100名以上、両日ともに約4時間にわたってのステージが展開。会場には多くの“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)が詰めかけたほか、配信による中継も行われ、コメントでも盛り上がりを見せていた。
なお、これまでアイドルマスターシリーズのライブイベントでは、発声をともなう声援は控える形で開催されていたが、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が一部変更されたことにともない、イベント開催に関する新たな方針が示されたことを受け、不織布マスク着用の上で声出しの解禁を決定。シリーズとして約3年ぶりに歓声のあるライブが、この合同ライブで実現した。
●THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023 DAY1(2月11日)出演者(敬称略)
■アイドルマスター 765プロオールスターズ
中村繪里子(天海春香役)/今井麻美(如月千早役)/長谷川明子(星井美希役)/浅倉杏美(萩原雪歩役)/仁後真耶子(高槻やよい役)/平田宏美(菊地真役)/釘宮理恵(水瀬伊織役)/若林直美(秋月律子役)/下田麻美(双海亜美・真美役)/沼倉愛美(我那覇響役)
■アイドルマスター シンデレラガールズ
・Triad Primus
福原綾香(渋谷凛役)/松井恵理子(神谷奈緒役)/渕上舞(北条加蓮役)
・エルドリッチ・ロアテラー
千菅春香(松永涼役)/桜咲千依(白坂小梅役)
・サイバーグラス
長島光那(上条春菜役)/田辺留依(荒木比奈役)
・フォーリンシーサイド
東山奈央(川島瑞樹役)/花井美春(村上巴役)
・『U149』より
今井麻夏(佐々木千枝役)/黒沢ともよ(赤城みりあ役)/集貝はな(的場 梨沙役)
■アイドルマスター ミリオンライブ!
・ストロベリーポップムーン
山崎はるか(春日未来役)/田所あずさ(最上静香役)/Machico(伊吹翼役)
・TIntMe!
稲川英里(大神環役)/原嶋あかり(中谷育役)/渡部恵子(周防桃子役)
・花咲夜
郁原ゆう(エミリー スチュアート役)/南早紀(白石紬役)/小岩井ことり(天空橋朋花役)
・Cleasky
角元明日香(島原エレナ役)/桐谷蝶々(宮尾美也役)
■アイドルマスター SideM
・DRAMATIC STARS
仲村宗悟(天道輝役)
・Jupiter
寺島拓篤(天ヶ瀬冬馬役)/神原大地(伊集院北斗役)
・Beit
堀江瞬(ピエール役)/高塚智人(渡辺みのり役)
・もふもふえん
矢野奨吾(岡村直央役)/古畑恵介(橘志狼役)
・C.FIRST
伊瀬結陸(天峰秀役)/宮﨑雅也(花園百々人役)/大塚剛央(眉見鋭心役)
■アイドルマスター シャイニーカラーズ
・放課後クライマックスガールズ
河野ひより(小宮果穂役)/白石晴香(園田智代子役)/永井真里子(西城樹里役)/丸岡和佳奈(杜野凛世役)/涼本あきほ(有栖川夏葉役)
・ストレイライト
田中有紀(芹沢あさひ役)/幸村恵理(黛冬優子役)/北原沙弥香(和泉愛依役)
・ノクチル
和久井優(浅倉透役)/土屋李央(樋口円香役)/田嶌紗蘭(福丸小糸役)/岡咲美保(市川雛菜役)
今回、メインステージと、中央が一段高くなった上段のステージ、そしてメインステージから伸びる花道の先に、5角形型で星のマークが描かれたセンターステージで構成。モニターはステージに備え付けられた3画面だけではなく、2022年にリニューアルした際に設置された、国内スタジアム最大規模とされる東京ドームのメインビジョンも活用。迫力ある映像演出のほか、歌っているアイドル(キャスト)と、楽曲名を映し出すガイド的な役割も果たしていた。
前説と注意事項は、765(ナムコ)プロダクションの事務員である音無小鳥だけではなく、アシスタントの千川ちひろ、765プロライブ劇場(シアター)の事務員である青羽美咲、315(サイコー)プロダクションの事務員である山村賢、283(ツバサ)プロダクションの事務員である七草はづきと、各ブランドでアイドルやプロデューサーさんをサポートする面々が勢揃いして豪華なものに。声出し解禁ということもあってか、この説明でも歓声で盛り上がる一幕もあった。
オーバーチュアとオープニング映像が流れて、ライブがスタート。その第一声は、中村さんによる天海春香のセリフ「プロデューサーさんっ! ドームですよっ! ドームっっ!」。東京ドームだからこその言葉を以って幕を切って落とした。そして1曲目は、アーケード版のテーマソングでシリーズを象徴する楽曲でもある「THE IDOLM@STER」。2022年に開催された「SUNRICH COLORFUL」のステージ衣装をまとい、横一列となって登場した765プロオールスターズが歌いだす。それに呼応するかのような歓声とコールも懐かしさと感慨深さを感じさせるものとなっていた。
冒頭は各ブランドがメドレー形式で楽曲を歌う形となり、シンデレラガールズは「Shine!!」を歌うなかで、初披露となるユニット衣装で登場。さらにミリオンライブ!は「Glow Map」、SideMは「DRIVE A LIVE」、シャイニーカラーズは「Resonance⁺」を、立て続けに披露していった。
改めて765プロオールスターズが登場。挨拶をするなかでは、765プロのメンバー全員とプロデューサーのみんなで、「ドームですよ!ドームーー!」と声をあげると、大きな拍手と歓声に包まれ、感激するような表情を浮かべるメンバーも。
今回は各ユニットの楽曲を披露するなかで、途中からメンバーが加わったり、シャッフルのようにフルカバーをしたりと、合同ライブならではと言える、夢のステージが展開された。
まずは放課後クライマックスガールズ(河野さん、白石さん、永井さん、丸岡さん、涼本さん)の「ビーチブレイバー」から。シャイニーカラーズの元気担当ユニットでの夏をイメージさせる楽曲で、一気に会場の熱気がMAXといったところに、沼倉さん、東山さん、黒沢さん、Beit(堀江さん、高塚さん)も途中参加。さらなる盛り上げを作ったとともに、ライブの全貌がまだ掴めてない段階なだけに、大きな驚きと、合同ライブらしさを感じさせるものとなっていた。
続いては、U149(今井麻夏さん、黒沢さん、集貝さん)による「ドレミファクトリー!」。シンデレラガールズのなかでも幼いアイドルたちによるステージが展開されるなか、仁後さん、下田さん、TIntMe!(稲川さん、原嶋さん、渡部さん)、もふもふえん(矢野さん、古畑さん)、河野さんまで加わり、各ブランドの年少組とも言えるアイドルたちが集結。賑やかにステージを彩っていた。
もふもふえん(矢野さん、古畑さん)がステージに残り、歌ったのは「はるかぜバトン」。卒園式で歌った“旅立ち”の曲では、途中からCleasky(角元さん、桐谷さん)が参加。“歌のおねえさん”感のあるなかでも4人が友だちとして仲良く歌っている姿が心を温かくするものだった。
Cleasky(角元さん、桐谷さん)がステージに残ってノクチル(和久井さん、土屋さん、田嶌さん、岡咲さん)が合流し、歌ったのは「shiny smile」。765プロ楽曲のフルカバーということで、場内でもどよめきの声が起きるほど。さわやかさや青春を感じさせる2ユニットで、間奏ではハイタッチをして仲の良さを感じさせる場面もあり、会場に清涼感のある空気と歌声を届けていた。
今度はセンターステージにストロベリーポップムーン(山崎さん、田所さん、Machicoさん)と放課後クライマックスガールズ(河野さん、白石さん、永井さん、丸岡さん、涼本さん)が姿を見せ、SideM楽曲の「夏時間グラフィティ」をカバー。オリジナルの歌唱メンバーはBeitも含まれているのだが、ここでは女性アイドルのみでの披露となったこともあり、新鮮な感覚で聴くことができるものに。夏の陽気さやキラキラな輝きを、会場中央から広めるように歌いつつ、最後は全員で記念撮影するようにポーズを決めて、それが写真風に映し出されていた。
765プロオールスターズが2台のトロッコに乗り込み、歌ったのはSideM楽曲の「Reason!!」。TVアニメ「アイドルマスターSideM」のオープニング主題歌という、ブランドを代表する楽曲のひとつを765プロがカバーする驚きの展開に、大きな歓声が巻き起こる。歌い進めるなかで、何度も“315”と声をあげるだけではなく、この曲のフレーズにもあり、765プロの活躍を描いた劇場版アニメのタイトルにもなっている「輝きの向こう側へ」を、歌うよりも先に中村さんが間奏で口にしたところはグッとくる場面でもあった。そして、なんとなく構成は見えつつも、どんな楽曲と歌唱メンバーの組み合わせでくるのかがわからないことを実感するような、怒涛ともいえる最初のブロックに一区切りを付けた。
SideMのメンバーが登場し、それぞれが挨拶するなかでは、合同ライブが初参加で一同が喜ぶ場面も。さらにC.FIRSTの3人は、2021年から配信されたスマートフォン向けゲーム「アイドルマスターSideM GROWING STARS」(サイスタ)から追加されたユニットということもあり、歓声が聞こえる状況でのライブが初めてということで、特に喜びをあらわにしていた。
再開後に登場したのはCleasky(角元さん、桐谷さん)で、持ち歌である「虹色letters」を披露。学生生活の甘酸っぱい青春の1ページを描いた楽曲で、途中からは白石さんと田嶌さんが参加。それぞれキャストとなっているアイドルは揃って高校生というなかで、穏やかな気持ちになれるステージを作りあげていた。
続いては、ノクチル(和久井さん、土屋さん、田嶌さん、岡咲さん)による「僕らだけの未来の空」。清涼感あふれる青春ソングでは、Triad Primus(福原さん、松井さん、渕上さん)が途中参加。透明感のある歌声のノクチルと、力強さのある歌声のTriad Primusと、より厚みの増した歌声で楽曲の世界観を表現。白と水色を基調とした衣装のノクチルと、紺を基調とした衣装のTriad Primusと、空のように青のグラデーションがかかっているように見えるのも目を引くところだった。
「秘密のメモリーズ」は、浅倉さん、平田さん、松井さん、渕上さん、永井さん、涼本さんがカバー。オリジナルは、ミリオンライブ!におけるデュエット曲を中心としたCDシリーズ「LIVE THE@TER DREAMERS」のなかの1曲。こうしたこともあってか、“ペア感”があるアイドルを3ブランドから2人ずつで、“2人の大切な時間”を表現する楽曲を歌っていた。
TIntMe!(稲川さん、原嶋さん、渡部さん)は「Arrive You ~それが運命でも~」を歌う。ミリオンライブ!のなかで年少メンバーで構成されたユニットが歌う大人びた曲であり、途中からは、こちらも年少ユニットとなるU149(今井麻夏さん、黒沢さん、集貝さん)も参加。背伸びした女の子の姿を表現するステージとなっていた。
和のユニットである花咲夜(郁原さん、南さん、小岩井さん)の「百花は月下に散りぬるを(Long Intro Ver.)」では、ステージ上で篝火を彷彿とさせる炎が灯るなかで、扇子を手にパフォーマンス。ここに途中から加わったのは花井さんと丸岡さん。演歌に魂を込めるアイドルの巴をほうふつとさせる、花井さんによるこぶしをきかせた歌声と、落ち着いたたたずまいで大和なでしこの雰囲気を醸し出す凛世をほうふつとさせる丸岡さんの歌声が、和の世界に新たな彩と華を添えていた。
フォーリンシーサイド(東山さん、花井さん)による「Gaze and Gaze」では、2人にある絆の強さを感じさせるような歌声を響かせるなか、和久井さんと土屋さんも参加。お互いに赤と青系統のイメージカラーを持っているだけに、ステージが赤青に分かれ、振られているコンサートライトも2色で彩られる光景も目を引くものになっていた。
SideMのメンバーがトロッコで登場して歌ったのは765プロ楽曲の「エージェント夜を往く」。アーケード版で菊地真の持ち歌となっているようなクールでカッコよさを前面に押し出した楽曲のところ、男性アイドルによる低音が響くボーカルで、カッコよさがより際立つようになっていた。
シャイニーカラーズのメンバーが登場し、それぞれアイドルとキャストとして個性的な挨拶を行ったほか、ノクチルの4人については6組目の追加ユニットとして2022年3月に発表されたこともあり、歓声を聴くことができるステージが初めてということで、河野さんが先導する形で、プロデューサーさんから「ノクチルー!」の言葉が贈られると嬉しそうな表情を浮かべる一幕もあった。
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