マイクロソフトの「Bing」はグーグル検索の脅威となるか--検索結果を比較 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年02月16日 07時30分

How do I merge two folders on MacOS, including subdirectories?(「macOS」でサブディレクトリも含めて2つのフォルダーをマージするにはどうすればいい?)

 こういう技術サポート系の質問があるときは、まさにその問題の解決方法を教えているユーザーのサイトが検索エンジンでヒットすると、大助かりするものだ。その点は新しくなったBingでも基本的に変わらないが、情報の取得方法は変わる場合がある。

 検索結果のトップは、通常のBingではMacPawの回答、GoogleではAppleのサポートページの回答だった。だがここでも、Bingを上にスクロールするとOpenAIがウェブ上からまとめた情報が示され、そこには「Finder」やmacOSのdittoコマンドの詳しい使い方も書かれていた。

 率直に言うと、Googleの通常検索でもう少し下位にある結果の方が、筆者には分かりやすかった。AppleInsiderに書かれている手順で、スクリーンショットもあるし、ファイルがどうなってしまうのかと心配な人に役立つ情報もある。一方、BingのAIによる検索結果も有益だった技術がさらに進めば、Googleの現在のアプローチを凌ぐ可能性がある。

勝者:Google

What did the US shoot down over Alaska?(米国がアラスカで撃墜したのは何?)

 米軍が未確認物体を撃墜したのと同じ日にこの検索を実行し、両エンジンが最新の出来事を扱う機能を試してみた。

 Bingは、「high altitude object(高高度物体)」という答えを目立つボックスで示し、2件のニュース記事の抜粋を引用してきた。Googleは直接の回答を示さず、この物体に関するThe New York Timesの記事を示すのにとどまった。BingでもGoogleでも、それぞれのニュースセクションへのリンクが強調されている。

 BingのAIインターフェースで掘り下げてみると、5つのニュース記事から要約した次のような文が出力された。「複数のニュースソースによると、米軍は金曜午後、アラスカ上空の領海を飛行していた『高高度物体』を撃墜しました。この物体は『おおよそ小型自動車ほどの大きさ』で、高度4万フィートを飛行していました。物体の出どころや性質は不明ですが、米国が先週末に撃墜した中国のスパイ気球のような機動性は備えていなかった模様です。米軍はこの物体からかなりの量の破片を発見しており、詳細な分析を進めています」

 この検索結果を見ると、MicrosoftのBingエンジンは、ウェブに新たに追加された最新情報をインデックス化し、OpenAIのChatGPTに改良を加えていることが分かる。ChatGPTのトレーニングに使われているのは、最新でも2021年のデータだからだ。

勝者:Bing

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提供:Stephen Shankland/CNET

What does IRA stand for?(IRAは何の略?)

 これはどちらかというと単純な検索で、Bingは苦もなく対応し、明白な回答2つをそのままボックスに示した。「individual retirement account(個人退職勘定)」と、「Irish Republican Army(アイルランド共和軍)」だ。Googleの同様のボックスでは、個人退職勘定の答えしか示されなかった。

 おもしろいのは、Bingのページを上にスクロールして、AIシステムを呼び出したときだ。Microsoftの「Prometheus」テクノロジーは、OpenAIの言語能力を使ってBingが提供するウェブサイトからのデータを提示し、脚注の形で出典も示している。2つのパラグラフの1つ目は、こんな内容だ。「IRAは、文脈によって複数の意味を表します。最も一般的なのは個人退職勘定の意味で、これは退職後のために資金を積み立てておける一種の預金口座で、税制優遇があります。IRAには、Traditional、Roth、SEP、SIMPLEなどの種類があり、それぞれ規則も利点も異なります」

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