マイクロソフトの「Bing」はグーグル検索の脅威となるか--検索結果を比較 - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年02月16日 07時30分

 いたって明快な説明であり、リンクをたどればさらに詳しい情報も得られる。フォローアップの質問もできるし、「How can I open an IRA?(IRAはどうやって開設できる?)」といったフォローアッププロンプトをクリックすることもできる。その答えを見れば、さらにアドバイスが得られ、出典のリンクも示される。ただし、Charles Schwabの広告も表示されるところが肝だ。Microsoftが、この新しい精巧な検索エンジン技術に注目している大きな理由の1つが、ここにある。

 ちなみに、BingでもGoogleでも、ロシア企業のInternet Research Agencyは全く出てこなかった。

勝者:Bing

Who was smarter, Marie Curie or Nikola Tesla?(マリー・キュリーとニコラ・テスラ、どちらの方が賢かった?)

 ChatGPTを使ったことがあれば、Bingの応答は予測がつくだろう。お茶を濁すのである。これにはもっともな理由があって、控えめに言っても知性を測るのは難しく、ChatGPTは原則的に価値判断は下さないのだ。

 代わりに、2人の功績についての概要が示され、このように結論されている。「ご存じのように、マリー・キュリーもニコラ・テスラも科学技術の歴史において偉大な、影響力の大きい人物であり、2人の知性を測るのも、その功績を客観的に比べるのも困難です。どちらの方が賢かったか尋ねるより、この2人が世界に遺したものとその影響を理解し、感謝しましょう」

 これに対して、Googleではこの話題を扱ったQuoraのページへのリンクが示された。いくつかユーザーの意見が投稿されているので、どれに一読の価値があるかを評価する練習にもなる。

 Bingでは、従来の検索結果と並んで、AIの回答とフォローアップのチャットが表示された。それが便利だと思わせたいらしい。大抵はAIが生成した回答を見るためにスクロールするか、「チャット」ウィンドウをクリックしなければならない。BingでAI生成の結果を表示するかどうかは、関連性だけで決まっているのではないかもしれない。OpenAIの技術を利用するのは、通常の検索より費用がかかるのである。

勝者:Bing

What motivates Diana Villiers in the Aubrey-Maturin novels?(小説「オーブリー&マチュリンシリーズ」で、ダイアナ・ビリャーズの行動原理は?)

 Patrick O'Brian氏がナポレオン戦争時代を描いた傑作小説シリーズの脇役について質問してみたが、BingもGoogleもここまで細かい質問になると役に立たなかった。いずれでも、示されたのはその小説に関するWikipediaなど各種ウェブサイトへのリンクと、著者のPatrick O'Brian氏のWikiページで、そこに知りたい登場人物の説明が挙がっていた。

 ただし、BingのAIインターフェースは、筆者の質問への直接の答えとなる情報を合成して表示してくれた。書き出しはこうだ。「いくつかの資料によると、ダイアナ・ビリャーズを突き動かしているのは、自由、独立、冒険への希求です。伝統的な妻という立場にも、愛情を受け入れるだけの姿勢にも満足しません。休みを知らず、衝動的で、しばしば無謀でもあり、新しい体験と挑戦を求め続けます。誇り高く強情という面もあり、友情にも厚い女性です」

 Bingのソースへのリンクもたどれるが、この答えでも十分的を得ている。

勝者:Bing

being late to a crucial meeting(重要な会議に遅れたことをお詫びするメールを書く)

 Microsoftは、このようなより「創造的な」応答を要求するプロンプトへの対処を、OpenAIにほぼ完全に引き渡している。その答えは、ChatGPTで見たものと似ている。

 「親愛なるチームへ。今日の重要な会議に遅れたことを心からお詫びする。これは非常に重要な会議であり、私の遅刻がすべての人に不便と不満を引き起こしたことを理解している」と手紙は始まる。トーンは息苦しくて企業的だが、実用的だ。

 「今度は車のトラブルのせいにしてくれ」と注文を出すと、「会社に行く途中で車にトラブルがあり、近くに整備士やタクシーが見つからなかった」と言う妙な回答が出力された。Microsoftが、AIによる回答を、ユーザーを助ける「副操縦士」と呼んでいる理由として、このサンプルはしっくりくるだろう。

 グーグルは私に手紙を書いてくれなかったが、謝罪に関するアドバイスのあるウェブサイトを紹介してくれた。

勝者:Bing

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