Elon Musk氏は、自身の自家用ジェットの着陸地点を追跡するTwitterアカウント「@ElonJet」について、気に入ってはいないが「言論の自由を守る」ため、凍結はしないと11月に明言した。
しかしとっぴな言動で知られる同氏は12月中旬、方針を覆した。同社は突然、人々の個人情報とメディアの共有に関するルールを同氏の都合の良いように変更したのだ。
「個人のリアルタイムの位置情報をネット上にさらすアカウントは、実際に安全を脅かすため凍結される。これには、リアルタイムの位置情報を掲載するサイトへのリンクの投稿も含まれる。移動先の位置情報をやや遅れて投稿するのは、安全上の問題がないため認められる」とMusk氏は米国時間12月14日にツイートした。同氏は、息子が乗車している車を「頭のおかしなストーカー」に追跡されたこともあると付け加えた。
Twitterはその後、有名人や大富豪など、注目を浴びる人々の飛行機を追跡する25件以上のアカウントを停止し始めた。だが、取り締まりはそこで終わらなかった。同社は15日、個人情報の投稿を禁止するルールを引き合いに、競合するソーシャルメディアのMastodonと、The New York Times、CNN、The Washington Postを含むメディアのジャーナリストのアカウントを凍結した。この措置は、同氏を批判してきたジャーナリストに対する報復と見なす人権擁護団体や議員の怒りに火をつけた。
その後、Musk氏は16日夜に、Twitterで実施したユーザー投票に基づいて、アカウントの凍結は解除されるとツイートした。17日朝の時点で@ElonJetは凍結されたままだが、ジャーナリストのアカウントの一部はMastodonのアカウントとともに復活している。
Twitterユーザーは長年、同社によるルールの運用方法に不満を述べてきたが、Musk氏による買収後はコンテンツモデレーションが一層分かりにくくなった。同氏はコンテンツモデレーションのあるべき姿についての考えを変え、同社は十分に通知することなく突然ルールを変更した。その結果、このプラットフォームは、ユーザーが自分の置かれている状況を把握できず、いつアカウントが凍結されるか分からないものになった。
「ルールが不明確なうえ、同社の所有者の気まぐれによる直前の通知によって変更される可能性があるため、ユーザーが自己検閲する状況が生まれ始めている」と民主主義と技術のためのセンター(CDT)の「自由な表現プロジェクト(Free Expression Project)」担当ディレクターであるEmma Llanso氏は述べている。
同氏は、Musk氏のコンテンツモデレーションに対する「信じられないほど恣意的なアプローチ」が、プラットフォーム上のユーザーの発言と、同氏に自身の行動の説明責任を負わせようとする取り組みに対して、「萎縮効果」をもたらす恐れがあると懸念しているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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