Amazonが10.2インチの大型ディスプレイを搭載する新しいE Ink電子書籍リーダー「Kindle Scribe」を発表したとき、多くの人が興奮した。スタイラスペンを備えたタッチスクリーン式E Inkデジタルノートパッドは同製品が初めてではないが、「Kindle」シリーズで高精度のペン入力機能が提供されるのは、今回が初めてだ。
はっきり言って、Kindle Scribeは安くはない。価格は、「スタンダードペン」を備えるモデルが339.99ドル(日本では4万7980円)、「プレミアムペン」と32GBのストレージを備えるモデルが389.99ドル(5万4980円)となっており、エントリーレベルの「iPad」よりも高価だ。
高額ではあるものの、筆者はKindle Scribeを1週間使用してみて、全体としては優れたタブレットスタイルの電子書籍リーダーだと感じた。ただし、ソフトウェアと機能のアップデートによって改善すべき余地があるのも確かである。
Kindle Scribeを見て最初に気づくのは、その大きさだ。「Kindle Paperwhite」よりもはるかに大きい。「Kindle Oasis」からページ送りボタンと防水機能を取り除いて、大型化したような外観と感触だ(PaperwhiteとOasisはいずれもIPX8等級の防水機能を備えている)。
Oasisと同様、Scribeも前面が平らなデザインを採用している。Amazonによると、Scribeはリサイクルアルミニウムでできており、現在のところ、300ppiの高解像度E inkディスプレイを備えた唯一のフロントライト搭載10.2インチ電子書籍リーダーであるという。本体サイズは、厚さがわずか5.8mm、重さが433gだ。参考までに、Kindle Paperwhiteは207g、新しくアップグレードされた無印のKindle(2022年モデル)は158gである。
iPad(2022年モデル)は477gで、Kindle Scribeよりも少しだけ重い。iPadと同様、Kindle Scribeも片手でしっかり持つことが可能である。右手でも左手でも大丈夫だ(どちらの手で持っているかによって、画面が自動回転するため)。しかし、片手で長時間使用するのは、おそらく避けた方がいいだろう。テーブルに本体を置いて何かに立てかけてもいいし、理想としては、スタンドとしても使用できるフォリオカバーを購入するといいだろう。
Kindle Scribeを磁石で固定するAmazon純正のカバーを購入する場合は、59.99ドル(9980円)のファブリックカバーと、79.99ドル(1万3980円)のレザーカバーが用意されている(本体とケースの両方が含まれる「Scribe Essentials」バンドルも販売されている。価格は409.97ドルからで、プレミアムペンと電源アダプターが同梱される)。純正のものよりも低価格のサードパーティー製ケースも提供されている(ペンを収納できるように、何らかのループを備えているものが多い)。しかし、Amazon純正のケースは魅力的かつスリムで、デバイスを立てる角度を調節することもできる。カバーを装着した状態でも、ペンは磁石で本体の側面に固定される、ということにも言及しておくべきだろう。Amazon純正のケースは、本体の側面を覆わないからだ。
スタンダードペンとプレミアムペンはどちらも電磁誘導技術を採用しており、電源ケーブルやBluetooth接続を使用しないため、ペンの充電について心配する必要はない。プレミアムペンには、消しゴム機能(本物の鉛筆の消しゴムを使うときと同じように、ペンを逆さまにして、スタイラス上部の消しゴムボタンを画面に押しつける)とショートカットボタンが搭載されており、価格もスタンダートペンより30ドル(5000円)高い。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス