「Kindle Scribe」レビュー--アマゾン初、高精度のペン入力付き電子書籍リーダー - (page 2)

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年12月08日 07時30分

 筆者が受け取ったレビュー用のサンプル機にはプレミアムペンが付属していた。手書きでメモを取ったり、画面に絵を描いたりしてみたが、非常に滑らかだった。遅延もほとんどなく、自然な感じだった。紙に書くときと同じような感覚だったが、摩擦がより少なかった。ペンやマーカーの太さは5段階から選択できる。もう少しペンの種類があれば、もっと良かっただろう。また、ペンの持ち方に少し注意する必要があった。文字を書いたり、落書きをしたりしているときに、ショートカットボタンを誤って押してしまうことが何度かあったからだ(筆者は左利きだ)。

均一な照明を備えた鮮明な大型ディスプレイ

 Kindle Scribeは、テキストや画像がくっきりと表示される300ppiディスプレイを搭載しているほか、35個のLEDで構成されるフロントライトも備える。参考までに、Kindle Oasisは25個のLED、Kindle Paperwhiteは17個のLED、2022年モデルのエントリーレベルのKindleは4個のLEDを内蔵している。暖かみのあるセピア色から寒色系の青みがかった色まで、色温度を調整することができる。筆者は、紙に近い見た目になる暖色系の色を使用することが多い。ほかのKindleと同様、夜間の読書のために、画面を黒色(実際には、非常に暗い灰色)にして、文字と画像を白色や灰色で表示するダークモードも用意されている。

 照明の均一性は素晴らしく、タッチスクリーンの応答性も非常に優れており、性質的に遅延が発生しやすいE Ink電子書籍リーダーとしては全体的なパフォーマンスは最高水準である。Kindle Scribeには、Kindle Paperwhiteと同じMediaTekのシステムオンチップ(SoC)が搭載されている。Amazonによると、動作速度は最大2GHzだが、この速度で動作するのは、より高いパフォーマンスを必要とする特定のアプリケーションを使用するときだけだという。ストレージについては、ベースモデルは16GBだが、より高価な32GBモデルと64GBモデルも用意されている。Wi-Fiモデルのみで、セルラーモデルは提供されていない。

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提供:David Carnoy/CNET

メモの書き込みの利点(と限界)

 9.7インチの「Kindle DX」は約10年前に販売が終了したが、Kindle Scribeはその精神を受け継いでおり、大きなフォントサイズで多くの行を表示できる大型のKindleを探している、視力の悪い人々にとって最適な選択肢だ。

 以前は、それが大型電子書籍リーダーの最大の魅力だった(しかも、E Inkディスプレイは直射日光下でも視認しやすいので、屋外での読書に最適だ)。しかし、近年、メモの書き込み機能や付箋機能を持つ専用のE Inkデバイスを探している学生などの間で、Kindle Scribeのようなスタイラスペンを備えたタッチスクリーン式電子書籍リーダーへの関心が高まっている。ウェブ閲覧や動画視聴、ゲームなど、多くの機能を提供するiPadや「Android」タブレット(Amazonの「Fire」タブレットも含む)のように集中を妨げる要素がないからだ。ほかのKindleシリーズと同様、Kindle Scribeも簡素なウェブブラウザーを備えているが、このブラウザーの主な目的は、コーヒーショップやホテルなど、ウェブ認証が必要な公共の場所で、Wi-Fi接続を有効化できるようにすることのようだ。

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