holorideは、Audiから独立した企業で、ドイツを拠点としている。同社の最初のデモは、ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2019」で披露された。同社はこれまで、このコンセプトを一般の人々に試してもらうため、初期段階の体験をいくつか公開してきた。例えば、ハリウッドのUniversal CityWalkとの提携の下で開発された体験では、自動車に乗って、映画「フランケンシュタインの花嫁」の世界をVRで楽しむことができた。しかし、現地時間2022年11月2日、holorideのテクノロジーが初めて一般の人々に直接発売されたことで、車内VRをどこでも体験できるようになった。
このソフトウェアの機能は自動車の左折や右折を画面に反映させることだけではない、とholorideの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のNils Wollny氏は筆者に語った。読み込まれるVRの世界は、ユーザーの現在地によって変化し、実際の風景に合った映像が表示される。ゲームに山が出てきたら、現実世界に建物があるということかもしれない。風景内の傾斜は、自動車が向きを変える可能性のある場所かもしれない。
holorideのVRシステムは現在、パッケージ製品として販売中だ。ドイツでは、HTCのVRヘッドセットVIVE Flow、ゲームコントローラー「8BitDo Pro 2」、holorideのソフトウェアおよびゲームプラットフォームの1年間のサブスクリプションのセットが699ユーロ(約10万円)で販売されている(Wollny氏によると、米国でも同様の価格に設定される可能性が高く、2023年に699ドル(約10万円)で発売される見通しだという)。当初は、Audiの比較的新しい自動車でのみ利用可能だ。
holorideは1年後、コンテンツにアクセスするユーザーに対して、月額20ドル(約2900円)のサブスクリプション料金の請求を開始する予定だが、そのとき、コンテンツライブラリーがどの程度の規模になっているのかは、現時点では不明である。同社によると、1年分の料金を前払いした場合、1カ月当たりの料金は20ドルよりも安くなるという。
たとえholorideのコンテンツがうまく軌道に乗らなくても、パッケージに含まれるVIVE Flowヘッドセットとゲームコントローラーは、ほかのVRヘッドセットと同じように機能する、ということには言及しておくべきだろう。車内でしか使えないわけではない。
holorideは、このコンセプトを同社のソフトウェアに組み込んで、複数の種類のヘッドセットと複数の自動車システムをサポートする必要があるだろう。このコンセプトがほかの車種でも機能するようになったというニュースがまもなく届く可能性はあるのだろうか。CEOのWollny氏によると、2023年1月に開催される「CES 2023」で、holorideに関する多くのニュースが発表される見通しだという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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