目立つEVの火災事故だが、販売10万台あたりの火災件数はHVが最悪--次いでガソリン車

 米国の自動車保険比較サイトAutoinsuranceEZ.comは、火災を起こしやすい電気自動車(EV)、という印象が事実かどうか確認するための調査を実施し、結果を発表した。EVとガソリンエンジン車、ハイブリッド車(HV)を比べたところ、販売台数10万台あたりの火災発生件数はHVがもっとも多く、EVがもっとも少なかった。

タイプ別の火災発生状況(出典:AutoinsuranceEZ.com)
タイプ別の火災発生状況(出典:AutoinsuranceEZ.com)

 AutoinsuranceEZ.comは、米国家運輸安全委員会(NTSB)、米運輸統計局(BTS)、リコール情報サイトRecalls.govから自動車火災やリコールに関するデータを集計。火災の発生件数などを調べたところ、販売台数10万台あたりの火災発生件数は、HVが3474.5件、ガソリンエンジン車が1529.9件、EVが25.1件だった。単純な発生件数は、ガソリンエンジン車が19万9533件、HVが1万6051件、EVが52件。

 火災に至る危険があるとして届け出られたリコールについても、EVはガソリンエンジン車に比べ少なかった。リコール対象台数順の概要は以下のとおり。EVおよびHVの発火原因はいずれもバッテリーだったが、ガソリンエンジン車の原因は多岐にわたる。

1位:

  • 対象台数:43万台
  • タイプ:ガソリンエンジン車
  • 車種:Hyundai Elantra
  • 発火原因:電気回路の短絡

2位:

  • 対象台数:30万8000台
  • タイプ:ガソリンエンジン車
  • 車種:Kia Cadenza & Sportage
  • 発火原因:電気回路の短絡

3位:

  • 対象台数:25万台
  • タイプ:ガソリンエンジン車
  • 車種:Honda Odyssey
  • 発火原因:電気回路の短絡

4位:

  • 対象台数:9万5000台
  • タイプ:ガソリンエンジン車
  • 車種:Hyundai Genesis & Genesis G80
  • 発火原因:アンチロック・ブレーキング・システム

5位:

  • 対象台数:8万2000台
  • タイプ:EV
  • 車種:Hyundai Kona
  • 発火原因:バッテリー

6位:

  • 対象台数:7万台
  • タイプ:EV
  • 車種:Chevrolet Bolt EV
  • 発火原因:バッテリー

7位:

  • 対象台数:2万7600台
  • タイプ:HV
  • 車種:Chrysler Pacifica
  • 発火原因:バッテリー

8位:

  • 対象台数:4500台
  • タイプ:HV
  • 車種:BMW 530e、xDrive30e、Mini Cooper Countryman All4 SE、i8、330e、745Le xDrive、X5 xDrive45e
  • 発火原因:バッテリー

9位:

  • 対象台数:2800台
  • タイプ:ガソリンエンジン車
  • 車種:McLaren Senna & 720S
  • 発火原因:燃料漏れ

  •  火災を起こす割合はガソリンエンジン車より低いEVであるものの、一度発火すると消火が難しいそうだ。EVに搭載されているリチウムイオンバッテリーは火がつくと温度が下がりにくく、高温状態が長く続くため、消火できたと思っても自らの熱で再び発火してしまうという。その点では、HVも同様だ。

    CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

    -PR-企画広告

    企画広告一覧

    このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
    Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
    [ 閉じる ]