英国のプライバシー規制当局である情報コミッショナー事務局(ICO)は、TikTokによる子供のデータの取り扱いについて調査しており、最大2700万ポンド(約42億円)の罰金をTikTokに科す可能性がある。ICOは現地時間9月26日に公開した予備調査報告書の中で、同社は、同社プラットフォームを利用する子供のプライバシー保護を怠り、英国のデータ保護法に違反した可能性があると述べた。
ICOは、TikTokに送付した意向通知書の中で、同社は2018年5月から2020年7月の間に、保護者の同意なく子供のデータを処理した可能性があると述べた。明確で透明性のある情報をユーザーに提供せず、機密データを法的根拠なく処理したことなども、違法行為に当たる可能性があるという。
子供のプライバシー保護をめぐって調査の対象となっているのは、TikTokだけではない。ICOは、50のオンラインサービスを対象に、英国のChildren's Codeの遵守状況を調査しており、自社の責任を真剣に果たしていないとみられる企業を対象に、6件の公開調査を実施している。英国は、Online Safety Bill(オンライン安全法案)の導入を進めるなど、デジタル企業の監視に取り組んでいる。このような動きは、インターネットを利用する子供たちを保護するための規制強化の一環で、世界中の国々で広く推進されている。
TikTokの広報担当者は声明の中で、ICOの調査結果は暫定的なものであり、現時点で最終的な結論を導くことはできないとした。「英国におけるプライバシーを保護するICOの役割は尊重するが、われわれはこの予備的見解に同意しておらず、ICOには今後、正式に回答するつもりだ」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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