アンドパッドは2月21日、同社が2020年10月より企画を開始した実験住宅プロジェクト「ANDPAD HOUSE」の完成を発表した。完成に合わせ、本プロジェクトを経て得たBIM(Building Information Modeling)や、遠隔臨場とANDPAD利用に関する知見を共有するANDPAD HOUSEプロジェクト報告会「BIM x ANDPADで実現する、新しい家づくり」を実施する。
アンドパッドは、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営。同社によると、BIMの利活用においては、大手ゼネコンや組織設計事務所など一部企業の大規模物件だけに利用が限られた状況にあるという。その一方で、住宅・非住宅を問わずBIMの利活用への需要が高まっており、木造建築・住宅におけるBIM活用の効果を検証する必要があった。
本プロジェクトでは、ANDPADをプロジェクト管理プラットフォームとして用い、BIMデータだけでなくプロジェクトに関わる全ての共有可能なデータについて、CDE(Common Data Environment)に取り組み、関係者全員がいつでもアクセスできる状態を実現した。
会議は全てリモートで行い、移動時間の削減とともに、週1回の定例会議に関係者全員が参加し、意思決定スピードをアップ。ロボットやMRグラスなどを使った遠隔臨場にも取り組み、「移動時間ゼロ、合計300時間以上の移動時間を削減」に成功した。
また、施工者である長谷萬が、基本計画段階からプロジェクトに参画することで、施工・製造の効率化を図るECI(Early Contractor Involvement)の形式を採用。実施設計から作図を開始することで、工期をのべ1.5カ月短縮した。
さらに、ウッドショックの影響で、追加で1.5カ月の工期延長が余儀なくされるところを、迅速な部材変更により当初の期間内に工事を完了したことで、実質「工期を3カ月以上短縮」を実現した。
本プロジェクトは、アンドパッドが施主となり、実験住宅の設計・施工を通して「数年先に実現する設計・施工のDX」を先行して実証するために立ち上げたもの。国土交通省が進める「令和3年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(先導事業者型)」において、「木造住宅における、BIMとクラウドサービスを用いたCDEとECIの効果検証・課題分析」1に採択された。
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