三菱地所は1月26日、5Gインフラを建設して複数の移動体通信事業者に提供する「5Gインフラシェアリング事業」に参入すると発表した。国や全国の自治体、不動産オーナーと連携しながら、今後5年で300億円を投じ、1000サイト超のインフラ建設を目指す。
丸ビルにおいてはすでに、第1号サイトの建設に着手。4月頃よりNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯キャリア4社へのインフラ提供を開始する。今後は丸の内エリアの複数ビルにインフラを建設し、エリア全域をいち早く5G化する予定だ。
全国の主要都市でも、北海道から沖縄まで、地元企業とのコンソーシアム等を通じ、エリア単位でのインフラ整備を計画しており、通信事業者と協議を進め、郊外や過疎地域での展開に向け、エリアを広範にカバーできる鉄塔の取得・建設も進める。
三菱地所によると、5Gは4Gと比較し、高速大容量で低遅延、かつ、同時多数接続を可能にする一方、高周波数帯を用いるため、より多くの基地局やアンテナ設備を必要とし、設置スペースの物理上、景観上の制約から、スピーディに整備する難易度が高いとされてきた。また、通信事業者が各々に整備を進める場合、固定資産投資が増大するため、より効率的なエリア展開の取組みとして、総務省も「インフラシェアリング」の重要性を指摘しているという。
今回の取り組みにより、三菱地所は、ポールや鉄塔といった電気通信設備以外の5Gインフラを中心に、通信事業者各社が利用できる設備を建設し、提供することで、社会全体での重複投資を圧縮する。さらに、各通信事業者や地権者の間で発生する設計上、施工上の煩雑な調整も担うことで、携帯基地局新設のスピードアップを図る考えだ。
不動産オーナーに対しては、建物周辺を早期に5Gエリア化することで、物件自体のバリューアップに寄与するとともに、屋上等の場所使用対価によって建物の収益増にも貢献する提案を行うなど、三菱地所が所有、運営する不動産以外にも設置を進めるとしている。
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