多くのテクノロジー企業が、バーチャルな交流の新しい手段としてメタバースの概念を盛んに売り込む一方で、既存のバーチャルな世界では、空間内で発生している問題行動に対応する新たな方針を導入する動きが出ている。
2017年にMicrosoftが買収したソーシャル仮想現実(VR)プラットフォーム「AltspaceVR」は、訪問者を保護するために実施する変更について明らかにした。これには、AltspaceVRが長年、共用エリアとして利用してきた、オープンなバーチャル空間を閉鎖することも含まれている。
VRで発生する嫌がらせへの懸念に対応するための変更だ。コラボレーションが可能なメタバースの実現に向け、企業がより大規模なソーシャル空間を開設するようになる中、ハラスメントへの懸念が高まっている。
Microsoftの複合現実(MR)担当テクニカルフェローAlex Kipman氏が米国時間2月16日、今回の変更についてブログ記事で発表した。
「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化する中、これまでのエクスペリエンスを確認し、現在と今後の顧客のニーズに十分対応しているかを評価することが重要だ」とし、「これには、ユーザーが共通の関心事を共有している人々とより良くつながれるようにしながら、ユーザーがアクセスする空間が不適切な行為や嫌がらせを受ける場とならないようにすることが含まれる」と述べている。
AltspaceVRがホストする「Campfire」「News」「Entertainment Commons」などのソーシャル空間ハブは削除される。アバター同士が自由に会えるオープンなスペースだ。AltspaceVRには、オープンなソーシャルワールドやイベントがほかにもあるが、AltspaceVRのハブエリアが削除されれば、ユーザーが訪れることができる場所が少なくなる。今後、イベントを中心とするアプローチへと変わっていくことの表れである可能性もある。
また、既存の「Safety Bubble」はデフォルトでオンとなるほか、「Events」への新規参加者は自動でミュートにされる。
さらに、AltspaceVRへのログインにMicrosoftアカウント(MSA)の利用が必須となる。今後、MSAを「Microsoft Family Safety」と連携させ、アプリを利用する可能性がある13歳以上の子どもの使用を承認、制限できるようにする。
このほか、Kipman氏は、今後数週間でAltspaceVRにおけるモデレーションを拡大するとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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