AppleとGoogleは米議会で審議中の2つの反トラスト法案について、可決に強く反対する姿勢を示している。問題となっている法案は、「American Innovation and Choice Online Act」と「Open App Markets Act」。いずれも今週議会で審議される予定で、可決されれば、アプリストアの独占性をめぐる米国の法規制が変わり、両社もこれに従わなければならない。
これらの法案にはAppleとGoogleに対し、それぞれの「ウォールドガーデン(壁に囲まれた庭)」型のモバイルOSでサードパーティーによる代替手段を認めることを強制する文言が含まれている。Googleは、サードパーティーアプリのインストールを完全には制限していないが、ユーザーがセキュリティ設定を無効にしない限り、通常は「Google Play」ストア以外からアプリをインストールすることはできない。一方Appleは、同社の「App Store」以外からのアプリの「サイドローディング」を一切禁止している。
法案では、GoogleやAppleが運営するようなアプリストア内で、サードパーティーの決済手段を認めることも求められている。Appleはこれに強く反発する姿勢を示してきており、ゲーム「フォートナイト」の熱心なユーザーを落胆させている。
AppleもGoogleも、これらの法案が両社に求める変更は、悪質である可能性のあるアプリがユーザーの知らないうちにインストールされることを可能にするもので、最終的にはユーザーの安全性とセキュリティを脅かすことになると主張している。Appleは米議員らに直接送付した書簡の中で(Bloombergがこの書簡を入手した)、この姿勢を示し、Googleは公式声明で自社の姿勢を示した。
Appleは、「iOS」でサードパーティーアプリを入手する手段を開放すれば、「膨大な数の米国人」が「阻止できるはずだったマルウェア攻撃を、スマートフォンに受けることになる可能性が高い」と予測した。Googleも同様の意見を表明しつつ、モバイルアプリ分野における自社のイノベーション能力が抑制されることになるとして、失望の意も示した。
2つの法案は、上院司法委員会で米国時間1月20日に審議される予定だ。議員の採決に進む前に、修正や変更が加えられる可能性が高い。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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