Meta Platforms(旧Facebook)による仮想通貨関連の取り組みを支えた幹部の1人、David Marcus氏が米国時間11月30日、年末に退職することを明らかにした。自身の起業家としてのDNAに揺さぶられることが多く、無視を続けられなくなったとしている。
Marcus氏はPayPalからFacebookに移籍し、2018年5月からは同社のフィンテック事業を率いて、2021年10月には仮想通貨を管理するデジタルウォレット「Novi」の試験提供を開始した。ただし、同氏が立ち上げに向けて指揮してきた仮想通貨「Libra」は、プロジェクトが批判されたことを受けて「Diem」と改称され、現時点でまだ発行されていない。
Metaが仮想通貨分野における野望の実現に苦戦している状況で、Marcus氏は同社を離脱することになる。試験提供中のNoviは、同社が当初主導していたステーブルコイン(市場価値をドルなど外部の基準に連動させる仮想通貨)のDiemには対応しない。ブロックチェーン企業Paxosが運営するコイン「Pax Dollar」の送金や受け取りができるもので、リリースはグアテマラと米国の一部地域に限定された。
2019年中頃にFacebookの後援でLibra協会(現Diem協会)が正式に設立されたが、それ以降もDiemはあまり好意的に受け止められていない。複数のパートナー企業がプロジェクトから離脱し、詳細が変わり、米議員らは計画を批判してきた。Noviのリリースは反発を招き、民主党の上院議員5名からなるグループが、Metaの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏にDiemプロジェクトの中止を強く求めた。
ハワイ州選出のBrian Schatz議員やマサチューセッツ州選出のElizabeth Warren議員ら5名は、Zuckerberg氏に「Noviパイロットプログラムを即時打ち切る」ことを要請した。また、Diemを市場に出さないと確約することも求めた。
それでもなお、Metaはこのプロジェクトを進める意向を示しているが、その野望は時が経つにつれて縮小している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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