Facebookは米国時間10月19日、仮想通貨を管理するデジタルウォレット「Novi」を限定的にリリースし、米国とグアテマラでパイロットプログラムを開始した。旧称「Calibra」から改められたNoviは、同社が当初主導していたステーブルコイン(市場価値をドルなど外部の基準に連動させる仮想通貨)の「Diem」には対応しない。
Noviは、Appleの「App Store」と「Google Play」の両方から、アプリとしてリリースされる。ユーザーは、ブロックチェーン企業Paxosが運営するコイン「Pax Dollar」の送金や受け取りが可能になる。4月に上場した仮想通貨取引所のCoinbaseが、管理サービスを提供する。
今回のリリースは、米国内でもニューヨーク州やネバダ州など一部の地域を対象外としている。Facebookが後援するDiem Associationは5月、主要な活動拠点をスイスから米国に移転することと、スイス金融市場調査局(FINMA)への決済システムのライセンス申請を撤回したことを発表していた。
Facebookが主導し2019年6月に初めて計画を明らかにした仮想通貨であるDiem(旧称「Libra」)は、これまであまり好意的に受け止められていない。パートナー企業の一部がプロジェクトから手を引き、構想の詳細は変化し、議員らは計画を批判してきた。今回のNoviのリリースも新たな反発を招き、民主党上院議員5人が連名で、Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏宛に、Diemプロジェクトの中止を求める公開書簡を送った。
ハワイ州選出のBrian Schatz議員やマサチューセッツ州選出のElizabeth Warren議員ら5名は、Zuckerberg氏に「Noviパイロットプログラムを即時打ち切る」ことを求めている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス