残念ながら、仮想通貨の取り引きでは、往々にして勝者より敗者の方がはるかに多い。
その最新の事例として、世界で大ヒットしている韓国発のNetflixオリジナルドラマ「イカゲーム」の人気に便乗して利益を得ようとした仮想通貨「$SQUID」がある。$SQUIDは米国時間10月26日、同ドラマの制作者らとは無関係のグループによって売り出されたが、これこそが最初の危険信号だった。時にミームコイン(ネット上でネタにされる通貨)がそうであるように、$SQUIDも爆発的に値上がりした。12セント(約14円)で売買が始まった後、11月1日の早朝には一時2800ドル(約32万円)の高値を付けた。
その後、これもミームコインによくある現象として、$SQUIDは大暴落した。価格は一瞬にして1セントの3分の1にまで下落し、その後も低迷している。その時の様子は、ライブストリーマーが偶然キャプチャーしていた動画に記録されている。
Crypto shit coin rug pull #SquidGameToken LIVE! #shib is next$squid pic.twitter.com/mdauJNfHvb
— SimonZ (@SimonZawa) November 1, 2021
$SQUIDはそもそも詐欺だったようだ。仮想通貨の業界では「ラグプル」として知られるやり口で開発者は約210万ドル(約2億3900万円)相当を売り抜けたとみられ、仮想通貨ウォレットの匿名性の力を借りて行方をくらました。$SQUIDのウェブサイトと「Medium」のアカウントは削除され(サイトはアーカイブされている)、Twitterアカウントは「疑わしい活動」を理由に凍結されている。
先週Gizmodoが指摘したように、$SQUIDは仮想通貨詐欺のあらゆる特徴を備えている。多くの危険信号の中でも特に目立つのが、プロジェクトの規約により、投資家は$SQUIDを購入しても自由に売れないという点だ。この「特徴」はホワイトペーパーに記載され、健全な価格上昇を保証する「投げ売り防止」機能として紹介されていた。
多くのアルトコインは数時間の間に急騰して急落するため、トレーダーはしばしば危険を顧みずに購入し、その後短期間で売り抜ける。詐欺師らはこの事実を口実に前述の「投げ売り防止」機能を組み込み、資金を拘束する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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