食品ロス問題に着目した背景は--フードシェアリングの「TABETE(タベテ)」CEOに聞く - (page 3)

食品の販売にもストーリー性が重要に

 TABETEは2021年8月にサービスを大幅にリニューアルし、出品価格と出品できる品数の制限を緩和した。それに合わせてサービスのキャッチコピーを「自分にも、お店にも、地球にも。みんな心地よい食の選択を。」にリニューアルした。

2021年8月のサービスリニューアルと同時に、キャッチコピーもリニューアルした
2021年8月のサービスリニューアルと同時に、キャッチコピーもリニューアルした

 「以前は『おいしくお得にレスキュー』と韻を踏んでやっていたのですが、『お得』を使うと価格だけでしか商品を見られなくなってしまいます。でも、TABETEとしてはそういう世界を目指したくないと思うのです。『安いから買う』のではなく、ストーリーに共感する中で買っていただくことの方が、結局ユーザーの満足度も高いし、お店側の満足度も高くなる」(川越氏)

 「食品ロス削減」というテーマは、買い方が変わらないと解決しないと川越氏は続ける。

 「価格だけを見て『安いからいい』みたいな価値観で食べ物を買うから、結局家でもロスになってしまう。ですから、ストーリーがあったり、自分が『これ欲しいな』と思うような理由は値段以外で作るべきですし、作らないとその食材に対する愛着がないから無駄にしてしまうのです。ストーリーや意義、意味みたいなところを考えてお金を使う。これは食の世界だけでなく、これから間違いなくそういう流れがくる」(川越氏)

 TABETEが軌道に乗り始め、TABETEレスキュー直売所の実証実験も開始するなど、食品ロス削減を目指すコークッキングの取り組みは着実に進んできている。そうした中での今後の課題や目標について、「まずは全国の主要都市をしっかり開拓していきたい」と語った。

 「今は東京を中心に展開しており、ユーザーが圧倒的に多くて店舗が不足している状況なので、加盟店をどんどん増やしていきたいですね。ナショナルチェーンの加盟も増えてきているので、どんどん加盟店を増やし、少しでもレスキューできる食材を増やしたいというのが近々の課題です。それによって、セカンダリーマーケットが一般化し、当たり前にあるインフラとして育てていきたいというのがTABETEとしての大きな思いです」(川越氏)

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