Googleの兄弟会社でドローンによる配送サービスを手がけるWing Aviationは、オーストラリアのクイーンズランド州にあるショッピングセンターの屋上をドローンの発着場として使い、商品の配達サービスを運営している。
この取り組みは、オーストラリアの小売店グループ、Vicinity Centresと共同で実施中。クイーンズランド州ローガンにあるVicinity Centresのショッピングセンター「Grand Plaza」から、周囲の住民へ商品を配達する。
屋上をドローン発着場にすれば、発着場のための土地を新たに確保する必要がなく、空きスペースを有効活用できるという。さらに、ショッピングセンター内の各店舗の商品を運べるので、需要も高いとしている。
WingとVicinity Centresは、8月半ばに試験サービスを開始し、これまで2500回以上の配達をした。これまでは食品の配達をしてきたが、市販薬や化粧品などの取り扱いも始める。
配達に使用するドローンは、固定翼機とマルチコプターを組み合わせた形状の飛行機。ホバリングが可能で、荷物を載せたり降ろしたりする際には、荷物を下げるためのワイヤーを上空から伸ばす。最大1.5kgの荷物を運べる。
屋上からドローンで商品を配達(出典:Wing/YouTube)
Wingは、すでにオーストラリアのキャンベラ、フィンランド、米国でドローンによる配達サービスを運営中。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響か、医薬品や食料品の配達が急増した。累計配達回数は、10万件に達している。
なお、The Registerの報道によると、キャンベラで商品配達をしていたWingのドローンがワタリガラスに攻撃されたそうだ。Wingの広報担当者はThe Registerに対し、「オーストラリアで膨大な回数ドローン配達を実施したが、鳥と衝突はごくまれにしか発生していない」とコメントしている。
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