Donald Trump前大統領は、Twitterに自身のアカウントの復旧を命じるよう裁判所に請求しているようだ。Trump氏は米国時間10月1日、裁判所に提出した書類の中で、アカウント停止措置の仮差し止め命令を米連邦地方裁判所判事に求めたという。
1日に提出された書類では、TwitterがTrump氏を「検閲」しているとし、米国内の政治的な議論に対する同社の力が大きすぎる、Trump氏に反対する米議会の議員らに停止措置を「強要」されたなどと主張している。The Washington Post(WP)が報じた。
Twitterは1月8日、Trump氏の支持者が米連邦議会議事堂に乱入し、数人の死者を出した暴動事件を受け、同氏のアカウントを停止した。Twitterは、「さらなる暴力の誘発を防ぐ」恐れがあるとして、アカウントを停止したと述べていた。Trump氏は7月、この停止措置などをめぐってTwitterを提訴した。
Trump氏はTwitterを利用することで、政治活動の手段を新たにした側面がある。主流のメディアを回避し、思いのままに政治的な主張を展開することができた。同氏のフォロワーは8800万人におよび、WPによると、アカウントが停止されて以来、同氏の主張が届く範囲は著しく縮小したという。
Trump氏のアカウントが停止されてから1週間で、選挙の不正に関するオンラインの誤情報が73%減少したことが調査で分かったとの報道もあった。しかし、選挙に関する誤情報としてブロックされたTrump氏の一部のツイートは、他のプラットフォームで拡散され続けていた。
FacebookやGoogle傘下のYouTubeも米連邦議会襲撃事件の後、Trump氏のアカウントを停止した。Trump氏はTwitterのほか、GoogleとFacebookも提訴し、各社の措置は検閲にあたり、合衆国憲法修正第1条に違反すると主張している。
Twitterの最高経営責任者(CEO)Jack Dorsey氏は以前、「私たちは政治的観点あるいはイデオロギーに従って何かをしているのか。そうではない」と述べていた。「コンテンツを政治的観点やイデオロギーで見ていない。私たちは言動を見ている」(Dorsey氏)
検閲を訴え、投稿の削除やアカウントの停止といったソーシャルメディア企業の行為が合衆国憲法修正第1条に違反すると主張する訴訟は、これまで米国各地の裁判所で繰り返し棄却されてきた。合衆国憲法修正第1条は政府に適用されるものであり、ソーシャルメディアサイトのような民間企業に適用されるものではないためだ。
Trump氏による1日の差し止め命令の請求について、Twitterはコメントを控えた。Trump氏の主任弁護士もコメントしていない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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