Googleがユーザーとその関心事について把握できればできるほど、同社の広告はマーケターにとって価値の高いものになる。マーケターは、ユーザーの好き嫌いや年齢、関心事、現在地などに基づいて潜在的な購買者にターゲット広告を配信するため、Googleに料金を支払う。独占禁止法規制当局の調査の対象にもなっているGoogleの巨大なデジタル広告事業は、1800億ドル(約20兆円)以上の年間売上高の大部分を生み出している。
Googleのハードウェア事業の大きな転換点は、今から5年前に訪れた。同社はそのとき、消費者向けデバイスの開発に専念するチームのリーダーとして、Motorolaの元プレジデントであるOsterloh氏を抜擢したのだ。その1年後、Googleはハードウェアエンジニアリング部門を強化するため、台湾のメーカーであるHTCに11億ドル(約1200億円)を支払って、同社の人材を獲得した。
Pixel 6が発表される前、Googleのスマートフォンチームは、過去のモデルのリリースに起因する幹部の異動と混乱に直面していた。報道によると、Osterloh氏は、売り上げが振るわなかった「Pixel 4」の開発中に下された、製品に関する決定を批判したという。Pixel部門の元統括者であるMario Queiroz氏は、2019年にスマートフォンチームを離れた後、2020年にGoogleを去った。Googleのスマートフォンソフトウェアを最高峰のモバイル写真アプリに育て上げたMarc Levoy氏も2020年に同社を退社した。
現在、Adobeで働いているLevoy氏は、ソフトウェアを利用して画質を改善する「コンピュテーショナルフォトグラフィー」の先駆者として知られている。同氏は、スマートフォンの写真をより魅力的にして、プロが撮影したような画質に仕上げる「ポートレートモード」や、暗所での撮影時に写真を明るくする「夜景モード」など、Pixelのいくつかの先駆的なカメラ機能の開発に貢献した。同氏がGoogleのために開発した機能の多くは、レビュアーや消費者から称賛され、最終的には、AppleのiPhoneなどの競合デバイスにも搭載された。
Osterloh氏は、Pixel部門の緊張状態についてコメントすることを控え、「遠い昔」に起きたことだと話すにとどめた。Googleは、それから同部門を再編している。Osterloh氏が米CNETに語ったところによると、同氏は現在、Pixel部門を統括するだけでなく、Googleのより広範なハードウェアグループも監督しているという。
プレミアムモバイルデバイス市場で苦戦し続けていることから、Googleは、スマートフォン事業への真剣さについて批判を浴びており、単に費用がかさむ趣味だとこき下ろす声もある。
Osterloh氏は、「普段、損益の話はしない」と述べている。「だが、この事業で損失を出すことは本意ではない。スマートフォン事業を商売として管理しようとしていることは確かだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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