「Android」スマートフォンに対応するスマートウォッチの購入を検討しているなら、2021年の秋まで待った方がいい。Googleとサムスンが提携し、Googleのスマートウォッチ用OS「Wear OS」を刷新すると発表しており、今後サムスンから出る「Galaxy」シリーズのスマートウォッチでは、その新しいOSが動くことになるからだ。また、Fitbitの機能がWear OSに追加されるほか、Wear OSを採用したFitbit独自のスマートウォッチの開発も計画されている。この情報は米国時間5月18日、開発者会議「Google I/O」で発表された。
なかなか盛りだくさんの内容だ。サムスンのスマートウォッチがGoogleのソフトウェアに移行する可能性は予測されていたし、Fitbitは既にGoogleの傘下にある。だが、サムスンとFitbitがGoogleと組むというのは、まるでウェアラブルテクノロジー界の「ジャスティス・リーグ」といった様相だ。Androidスマートウォッチの世界が大きく変わり、「Apple Watch」と競り合うことも予想される。ソフトウェアを刷新した新しいスマートウォッチは秋に登場予定で、実際にどんなものになるか、現時点で判断するのは難しい。
筆者は、状況を整理して現状を把握するため、Googleから、またFitbitとサムスンの担当者からも話を聞いた。要約すると、サムスンは2021年後半に向けて、Androidスマートウォッチの主力機とみられるデバイスを開発する見込みで、Fitbitもそれに続く。最終的に、サムスンのスマートウォッチはFitbitのすべての機能を吸収することになる可能性もある。
サムスンとGoogleの提携は広範囲に及ぶようだ。両者は次世代のWear OSだけでなく、フィットネスセンサーのサポートや、将来のスマートウォッチ用チップセットなど、その技術や機能まで共同設計しようとしている。
「アプリの起動は最大30%の高速化が確かめられており、そのパフォーマンスによって、これまでになく超スムーズなアニメーションやトランジションを追加できるようになる。これらはすべて、最新チップセットがもたらす性能だ」。GoogleのWear OS担当プロダクトマネジメントディレクターを務めるBjorn Kilburn氏は、「Googleハングアウト」での取材でこう答えた。
こうした次世代のスマートウォッチは、セルラー対応が進み、バッテリー持続時間が長くなるほか、フィットネスおよびヘルス機能も充実するようだ。おそらく、サムスンが最近のウェアラブル「Galaxy Watch Active」シリーズですでに構築しているものに似たプラットフォームとなるだろう。
GoogleのWear OS向けアプリも更新される予定だ。新しい「Googleマップ」は、スマートフォン本体がなくても新しいWear OS搭載スマートウォッチで動くようになる。「YouTube Music」は、スマートウォッチ向けにオフライン再生モードを実装する。「Spotify」もこれに続く予定だ。
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