聴覚障害者コミュニティーの「反発や反対、批判がなければ、これらすべてのアクセシビリティー機能は登場しなかったはずなので、喜びと悲しみの両方を感じる」とMcFeelyさんはテキストメッセージで述べている。McFeelyさんによると、ソーシャルメディア企業は、アクセシビリティー機能をもっと効果的に宣伝し、障害者をもっと雇用して自社製品の開発に関与させる必要があるという。
Twitterは2020年、聴覚障害者や難聴者がツイートの音声共有機能にアクセスできないことに対する苦情を受けて、謝罪した。9月には、アクセシビリティーに取り組む2つの新しいチームを設けることを発表している。
We're sorry about testing voice Tweets without support for people who are visually impaired, deaf, or hard of hearing. It was a miss to introduce this experiment without this support.
— Twitter Support (@TwitterSupport) June 19, 2020
Accessibility should not be an afterthought. (1/3) https://t.co/9GRWaHU6fR
英国のフリーランスジャーナリストで活動家でもあるLiam O'Dellさん(24歳)は、自身を軽度の聴覚障害者だと説明している。O'Dellさんは、自身のウェブサイトで、キャプションがないために、聴覚障害者はTwitterの音声ツイートやClubhouseにアクセスできないと指摘していた。また、Twitterスペースのキャプションをテストしたところ、「完璧にはほど遠かった」という。
SnapchatやClubhouseなど、主要ソーシャルメディアアプリのほとんどを使用しているO'Dellさんによると、それでもウェブサイト上に大量のテキストがあるTwitterのアクセシビリティーが最も優れていると感じるという。だが、同社には、自身を含む「聴覚障害者」に対して「コンテンツのアクセシビリティーを向上させる」方法があるという。新製品の開発プロセスにより多くの障害者を関与させれば、障害がある人と正確なキャプションを読みたい人の両方にとって実りある改善を実現できる可能性がある、とO'Dellさん。
O'DellさんはTwitterのダイレクトメッセージで、「アクセスできない製品や機能は完成品ではない」と述べた。「時間と、おそらくコストもかかるが、アクセスはエンゲージメントと同じだ。そして、ソーシャルメディアの世界では往々にして、エンゲージメントが売り上げにつながる」
全米ろう者協会の責任者を務めるHoward Rosenblum氏が電子メールで述べたところによると、キャプションを導入する企業は、バックグラウンドノイズやスピーカーの数、音質など、文字起こしに影響を及ぼす可能性のあるさまざまな要因にも目を向ける必要があるという。キャプションを使いやすくするほかにも、ユーザーにその機能をオンにさせるのではなく、最初からオンになっているように設定する必要がある。また、ユーザーが聴覚障害者や視覚障害者である場合はなおのこと、キャプションを簡単に編集できるようにしたり、ニーズに合わせてカスタマイズできる手段を提供したりすることも必要だ。
「自動文字起こし機能は改善されつつあるが、その品質はピンキリだ」(Rosenblum氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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