Fitbitの共同創業者、グーグルとの関係やフィットネスの未来を語る

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年05月07日 07時30分

 Fitbitの製品はかつて、歩数を数える小さなガジェットだった。だがそれは、はるか昔のことだ。今では心臓も睡眠もモニタリングし続け、さらに高度な機能を追加しようとしている。Googleの子会社になったFitbitは、現在も「Fitbit Luxe」のような新しいフィットネストラッカーを生み出している。同社のサブスクリプション制サービス「Fitbit Premium」には、人気の瞑想インストラクターDeepak Chopra氏によるセッションを含む新しいウェルネスコンテンツが追加され続けている。

最新フィットネストラッカー「Luxe」
最新フィットネストラッカー「Luxe」は、Fitbitのさらに大きな展望の一部だ。
提供:Fitbit

 同社は今後どのような方向に進むのだろうか。手首に着けるのではないデバイスを開発するだろうか。フィットネストラッカーは、新型コロナウイルスなどの疾病に対して、どのように役立つだろうか。

 Fitbitの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のEric Friedman氏が、同社の現在と未来について語ってくれた。

センサーを手首向けに小型化

 Fitbitは、センサー技術を低価格帯の小型フィットネスバンド向けに小型化しつつ、大型のスマートウォッチ製品では今後もより高度なセンサーを探求していく計画だ。Friedman氏は、2020年に発売したスマートウォッチの「Fitbit Sense」を、最近発表したフィットネストラッカーのFitbit Luxeと比較して、「スマートウォッチはバッテリー容量が大きく、スペースもあるので、新しいセンサーを搭載して研究するのが比較的容易だ」と語った。Fitbit Senseが体温センサー、ストレスを測るための皮膚電気活動(EDA)センサー、ECG(心電図)機能を搭載する一方、小型のFitbit Luxeは睡眠やストレスなどの計測を光学式心拍センサーに依存する。

「Fitbit Sense」
2020年、「Fitbit Sense」に皮膚電気活動(EDA)センサー、ECG(心電図)機能、皮膚温度センサーが追加された。こうした機能の一部は、最終的にはより小型のウェアラブルデバイスにも搭載されるかもしれない。
提供:Richard Peterson/CNET

 Friedman氏は、ウェアラブルデバイスの心拍計が数年前には主に大きなスマートウォッチに搭載され、小型のフィットネスバンドにできることは歩数を測ることくらいだったことを引き合いに出した。光学式心拍センサーも、アルゴリズムベースの多数の洞察が追加されてきたことで、大きく進化した。「Fitbitのスマートウォッチに初めて心拍計を搭載した時点では、ワークアウト用でしかなかった」とFriedman氏は7年前の状況について語った。「だが、技術の進歩で心拍数からより多くを引き出せるようになった」

 同氏は心拍変動を重要な新しい指標と見ており、心房細動と関連付けた。Fitbitは最近、50万人規模の心房細動調査を完了したが、「Apple Watch」とは異なり、Fitbitのほとんどの製品は光学式心拍センサーで推定心房細動を測定しない。推定心房細動の測定が可能なのは、ECG機能を備えるFitbit Senseだ。

血圧の可能性

 Fitbitのスマートウォッチではまだ血圧を測れないが、同社はPAT(脈波到達時間)と呼ばれる尺度で手首での血圧測定を可能にしたいと考えている。PATは、ECG機能搭載のFitbit Senseで測定できる(ただし、ユーザーはまだこの機能を使えない)。ECGからの電気信号を、光学式心拍センサーを介して測定した血流と比較する。Friedman氏は、この方法が推定血圧測定の可能性につながるとみている。

 「もちろん正確な血圧測定ができるのが理想だが、血圧の相対的な時間変化に対応する相対血圧測定値を獲得して『何らかの変化がありました。ご確認ください』と注意を促すだけでも大きな意味があると思う。相対血圧測定値ではなく、心臓の健康に関する別の何かでもいい。われわれはそれを理解する必要がある」とFriedman氏は語った。PATの研究に関しては、Fitbitはまだ初期段階にあるという。「従業員の家族や友人参加の研究は終わっており、最近多数のユーザーにデータ収集への協力を呼び掛けている。より良い信号を生成する方法を研究し、追加の測定方法を提供することでユーザーを支援できるかどうか調査中だ」

 現在、物理的に手首に圧力をかけるオムロンの「HeartGuide」やサムスンの「Galaxy Watch Active」(バージョン2と3)以外には、ウェアラブルな血圧計はほとんどない。HeartGuideは米食品医薬品局(FDA)から医療機器としての認可を取得している。Galaxy Watch Activeは、従来のカフ式血圧計で別途血圧を測定するキャリブレーションが必要だ。血圧計は多数の企業が分け入ろうとしている領域だ。

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