Jeff Bezos氏は、Steve Jobs氏、Bill Gates氏、Larry Page氏と同じ道をたどり、自ら立ち上げた大企業の全盛期に最高経営責任者(CEO)の座を退こうとしている。新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウン生活の中、Amazonの影響力は新たな高みに至った。Bezos氏はこの四半世紀、日用品の購入方法から家庭にあるデバイスの使い方まで、あらゆる面で現状を打破してきた。
米国時間2月2日に公開された絶好調な四半期業績発表には、Bezos氏が第3四半期にCEOを退き、取締役会長になるという内容も含まれていた。同氏は今、Elon Musk氏に次いで世界2位の富豪だ。後任は、腹心の部下の1人で収益性の高いAmazon Web Services(AWS)を任されているAndy Jassy氏。Amazonの古株であるJassy氏への引き継ぎは、問題なく行われるだろう。だが、Bezos氏は完全に手を引くわけではないようだ。
1994年にAmazonを立ち上げて以来、Bezos氏は同社を何十回も改革し続けてきた。その過程で、Amazonは異なる業界に強引に割り込んだり、業界全体を完全に解体したりしてきた。高級スーパーのWhole Foods Marketを買収したり、実験的な店舗を展開したりすることで、物理的な小売業にも(それを破壊する過程で)手を出した。
だが、多くの人がAmazonを知るのは「Amazonプライム」サービスを通してだ。同サービスは、サブスクリプション制の配達サービスから、動画と音楽の配信や写真用ストレージなどのサービスを提供するデジタルプラットフォームに進化した。贅沢なサービスだったAmazonプライムは、新型コロナウイルスによるパンデミックの中、外出を控える人々にとって不可欠なものへと成長した。トイレットペーパーから今週必要な食料品まで、すべてが玄関先に届くという快適さだ。その変化は、第4四半期の純利益が前年同期の2倍以上に当たる72億ドルだったことによく表れている。
Insider Intelligenceが保有するeMarketerの主席アナリスト、Andrew Lipsman氏は「Jeff Besoz氏は最高の状態で身を引く方法を本当によく分かっている。彼がCEOを退任するというニュースは、歴史的な四半期業績をもかすませるだろう」と語った。
巨大IT企業がわれわれの生活の中で果たす役割についての懐疑的な見解が広がる中、Amazonの優位性は、同社の力についての疑問を呼び起こした。CEOを退任することで、Bezos氏は日常業務から離れ、航空宇宙企業Blue Originを含む他の取り組みに集中する時間を確保できるようになるだろう。
考えてみると、Amazonのすべては、物理的な本から始まったのだった。覚えているだろうか。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス