慶應義塾大学病院は、Apple Watchを利用した臨床研究「Apple Watch Heart Study」を2月1日より開始した。
Appleが1月27日に公開した最新版のiOSとwatchOSにより、日本でもApple Watch Series 4、5、6のいずれかを所持していれば、OSをアップデートすることで「心電図」がとれるようになった。
Apple Watch Heart Studyはこれらの機能を活用し、心電図アプリケーションで測定する心電図や脈拍などのさまざまなヘルスケアデータと、独自の研究用iPhoneアプリで収集する睡眠、飲酒、ストレス等に関する調査データを解析することにより、睡眠中・安静時の脈拍と生活習慣との関連を分析する。
また、アプリケーション経由で届く、脈がとぶ、脈が速い等の動悸の申告を元に、心電図やヘルスケアデータの変化を解析するという。
心電図は心臓に異常がある時に記録することが重要だが、病院の限られた検査時間中に症状や異常が現れない場合、病気を検出することが困難だ。
本研究により、家庭でApple Watchのような機器を使用し、的確に心臓の異常を記録できるタイミングはどのような時であるのかを明らかにし、病気の早期発見につながることが期待できるという。
なお、この研究は対象者の異なる2つの研究から構成される。一つは、慶應義塾大学病院に通院する心房細動患者を対象にしたもので、臨床現場で使用している心電図検査(2週間のHolter心電図、携帯型心電図)とApple Watchと心電図アプリケーションから得られる脈拍データおよび心電図を比較する。また、ヘルスケアデータを睡眠、飲酒、ストレスとの関係に関して人工知能で解析し、どのような時に不整脈になりやすいかを推定するアルゴリズムを構築する。
もう一つは全国のApple Watchユーザーを対象とした研究だ。対象者は、iPhone(iOS 14.0 以降)および、Apple Watch(watchOS 7.0 以降)を使用して研究アプリケーション「Heart Study AW」をApp Storeからダウンロードできること。Apple Watchを睡眠中7日間装着して質問票に回答でき、日本語を理解できる20歳以上の日本国民、本研究の参加に同意する人としている。詳細は、研究ホームページを参照のこと。
全国を対象とした Apple Watch ヘルスケアビッグデータの構築と、医学的な網羅的解析は、類を見ない試みという。今後、家庭でのデジタルヘルスケアと適切な医療との連携に貢献することが期待される。なお、本臨床研究は慶應義塾大学病院が行うもので、Appleが共同研究等で関与するものではないとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス