Microsoftは、「Windows 10」に搭載されている「Mail」アプリや「Calendar」アプリとともに、レガシー版とも言えるWin32向け「Outlook」クライアントを単一バージョンのOutlookクライアントで置き換え、「Windows」と「macOS」のいずれでも使用できるようにする取り組みを続けているという。Windows Centralが報じた。同報道によると、「Project Monarch」という開発コード名で開発されているこの新たなメール/カレンダークライアントは、Microsoftの「One Outlook」計画の一環であり、現行の「Outlook Web App」(OWA)をベースとしたものになるという。
@TeroAlhonen氏がMicrosoftの「One Outlook」ダッシュボードサイトとみられるスクリーンショットをツイートしている。
One Outlookダッシュボードに表示された説明(@WinObs氏に感謝する)によると、「One Outlook(すなわち「Monarch」)は、大画面でのエクスペリエンスを念頭に置いて設計された新たなバージョンのOutlookであり、これには『Windows Desktop』版(Intel向けとArm向け、Win32版やUWP版)や、『Outlook Web Access』(OWA)版、『macOS Desktop』版が含まれている」とされている。
「Windows 8」の頃、MicrosoftはこのOSに搭載されているMailアプリとCalendarアプリがメールクライアントの未来を示しているとしていたが、これらはOutlookほど機能的ではなかった(MicrosoftはMailアプリとCalendarアプリをバンドルし、「Outlook」という名前に変えることを検討しているといううわさが流れた時もあったが、異なるさまざまな製品を「Outlook」と呼称すれば事態はさらに混乱していただろう)。
Windows 8の時代が過ぎるとともに、Microsoftは当初のUWP戦略を見直し、新機能についてはまず「Outlook for the Web」に追加するようになった。しかし既存のMailアプリとCalendarアプリは、何らかの理由によって今日に至るまで、Outlookをベースにしたメールアプリにされるのではなく、そのままのかたちで維持されてきた。
Microsoftは現在、WindowsとmacOS、ウェブ向けのほか、「iOS」や「Android OS」を搭載した機器向け(買収したAcompliのテクノロジーに基づいている)にOutlookのバージョンを用意しており、それらすべてを単なる「Outlook」という名称で呼ぶ傾向にある。
Windows Centralの記事は、2021年末までに新たなOne Outlookクライアントのプレビュー版が登場するだろうとしている一方で、Windows 10に組み込まれているMailアプリとCalendarアプリが置き換えられるのは2022年に入ってからになると報じている。また記事によると、Microsoftは、レガシー版とも言えるWin32版のOutlookクライアントを最終的に置き換えたいと考えているという。
Microsoftの広報担当者は、同社が「現時点で共有できる情報はない」とコメントした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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