Appleは11月17日より、Apple Silicon「M1」チップへ移行したMacを発売した。第1弾はMacBook Air、MacBook Pro 13インチ(下位モデル)、Mac mini(下位モデル)の3機種。いずれも同じM1チップを搭載しているが、MacBook Airには7コアGPUとして価格を抑えたバージョンが存在し、またMacBook ProとMac miniには本体にファンを備えることで、ピーク性能の持続時間を延ばしているという。
1度に出てくるチップが同一で、本体の違いから最適なマシンを選ぶ方式は、iPhoneやiPadのそれと似ている。むしろ、今までのMacは、1つのグレードに3種類のプロセッサがあったり、コア2つ、0.1GHzの性能向上に数万円追加したりできるなど、複雑怪奇なラインアップであったことを改めて感じさせる。いずれのモデルも、本体のデザインに変更はない。
筆者はMacBook Pro 13インチモデルを早速手に入れたが、macOS Big Surとの組み合わせは、あらゆる動作が高速で、Final Cut Proでの動画編集や書き出しも、どのMacBook Proシリーズよりも高速に動作する。16インチに比べても、その書き出し速度は25%高速化された。しかも、これがMacラインアップの「ベースラインの性能」である点も驚かされる。
また特筆すべきはバッテリー持続時間だ。カタログにおける13インチMacBook Proのバッテリー性能は、18時間のワイヤレスインターネットと20時間のビデオ再生時間とされているが、実利用でその時間使えるとは、誰も思っていないのも事実だ。その考えを改めなければならないかもしれない。
MacBook Pro 13インチモデルと、Universal2アプリのテキストエディタ、Ulyssesを使い、ディスプレイの輝度70%で1時間作業をしたところ、バッテリー表示は1%も減らなかった。続けて、Safari、Slack、Messenger、メールなどのテキスト系のコミュニケーションを追加して30分たったところで、やっとバッテリーが99%になった。
Appleは自社設計のチップへの移行に際し、パフォーマンスと省電力性の両立をその動機にしているといい、Intelチップと比べて、同じパフォーマンスなら1/4の電力で、同じ電力なら2倍の性能を発揮する、としていた。M1チップはそのゴールを、Macというシステムに載せた状態で達成しているように思う。
もちろん、世の中を見渡してみれば、万人がMacを選べる状態とは言えない。しかし例えば大学生にとっては、MacBook Airの学割料金9万3800円からという価格で、30万円相当のコンピュータの性能が手に入るなら、進んでおすすめしたい。また、いままでWindowsプラットホームへ移り、性能を追求してきたクリエイティブプロを振り返らせるきっかけは十分与えたと考える。
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年商100万ドル(約1億400万円)未満の開発者の手数料を、これまでの30%の半分、15%に自動的に割引する仕組み。売上高の計算は1年ごとに行われ、次の1年間の手数料率が決定する。今回の場合、2020年中の売上高が100万ドル以下の開発者が対象となる。
今回の割引について、世界的に厳しい経済状況から小規模開発者を救うことを目的としている。手数料の値下げによって、コロナ禍に適した新機能を投入したり、ステイホーム需要に合わせて無料コンテンツを拡充する、といった対応を取ることで、ビジネスの継続性と新規顧客の開拓の間接的な支援となる。
また、Spotify、Epic Gamesのように、App Storeの手数料率の高さ、Appleが独占的な立場を利用してアプリ市場をコントロールしているとの批判を交わす狙いもみられる。
アップル、「App Store」手数料を半減へ--年商100万ドル未満の開発者は15%に(11/19)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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