Facebook、Twitter、Googleの各最高経営責任者(CEO)は米国時間10月28日、米上院議会の商務科学運輸委員会で証言する。3氏は、インターネットプラットフォームの繁栄を支えた米連邦法が、表現の自由を奨励するとともに、各社によるコンテンツのモデレーション(適正化)を可能にするものだと主張するとみられる。
この法律、通信品位法(CDA)230条では、ユーザーが投稿したコンテンツについてインターネット企業の免責を認めている。ソーシャルネットワーク各社が誤情報などのコンテンツを取り締まる中で、共和党と民主党はいずれも同法を標的にしてきた。共和党は、IT企業が保守派の言論を検閲していると主張しており、そのため免責を認めるべきではないとの立場だ。企業側はこうした主張を繰り返し否定してきた。民主党は、誤情報やヘイトスピーチの拡散に歯止めをかける企業の対策が不十分だと主張している。
TwitterのCEOであるJack Dorsey氏は、議会証言用に準備した原稿にこう記した。「われわれはまた、230条の規定を弱めることでオンラインでの言論が大幅に排除され、有害なコンテンツに対処してネットユーザーを守るわれわれの集合的能力が厳しく制限される点にも留意すべきだ」
Twitterは、Dorsey氏の証言原稿を27日に報道機関に提供した。230条は、インターネット上での表現の自由の根幹を成すと考えられている。Dorsey氏は、米国人は自らが利用するサービスを信頼したいと考えているが、言論の自由が制限されることは望んでいないと主張している。
Dorsey氏は証言原稿の中で、規制は「大きな市場シェアを占める企業の地位をさらに確固たるものにし、対応する追加のリソースを簡単に拡充できるようにする」ものだと述べた。
FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏は、規制についてこれとは異なる見解を持っており、過去の発言では、コンテンツモデレーションに関する規制を含む諸規則を支持するとしていた。同氏は証言原稿の中で、230条に関する議論は「あらゆる政治的信念の人が現状に不満を持っていることを示している」と述べた。
米CNETがFacebookから提供された証言原稿の中で、Zuckerberg氏は、「230条によって、すべての主要なインターネットサービスの構築が可能になったほか、表現の自由やオープン性などの重要な価値観がプラットフォーム運営に組み込まれた」と述べている。
GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は、インターネットを「世界で最も重要な平衡装置」の1つとしながらも、その力にはトレードオフが伴うと証言する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」