新しいデバイスにはガイダンスや特別なサポート、分かりやすいチュートリアルが必要だ。「Nintendo Switch」や初代の「iPhone」「Oculus Quest」がいずれもそうだった。ユーザーは、慣れ親しんできた使用感から脱しなければならなくなるが、代わりに、メーカーは特別なツールやソフトウェアを提供して新しい使い方に導き入れてくれる。これらのデバイスでは、そうしたデバイスに慣れるためのステップを楽しむことができた。別世界に連れて行かれるような気分がしたものだ。だから、慣れが必要な新しいツールを習得するのを楽しめたのだ。
MicrosoftのSurface Duoにも、同じような導入ツール、独自のソフトウェア、ちょっとした工夫が必要だ。それが、この時点ではまだ示されていない。画面上の移動に必要なスワイプとジェスチャーについては簡単なチュートリアルがあり、その後で2種類のサインインが求められる。Microsoftのアプリケーションエコシステムへのログインと、Googleおよび「Android」へのログインだ。ログインすると、Androidスマートフォンと同じように起動する。実際Androidスマートフォンなのだから当たり前ではあるが。だが、Android機能の一部が、Surface Duoの機能にまだ対応していないよう感じられる。
筆者が使ってきたレビュー機では、初期のソフトウェアが期待どおりに動作せず、使うのをやめたいと思うことがあった。最近アップデートされたプレリリース版では、全くだめだった問題がかなり改善されている。だが、画面の向きに関しては、動きが遅れるなどの不具合がまだあり、そこまで気持ちよく使っていた体験が台無しになってしまう。ただアプリを開きたい、別の画面に移動したい、1画面に戻したい、それだけの操作に画面の動きが追いついかない。
まだ新しいインターフェースに進化する過程だから、なのかもしれない。あるいは、筆者自身が慣れようとしている過程にいるからなのかもしれない。普通のスマートフォンの2倍になったように見せかけることで、Surface Duoは、今も筆者が抱えている、インターフェースに対する大きな疑問をかわしているように思えるが、その疑問は解決されたわけではない。
大きい画面を折りたたんでポケットにしまえるというアイデアは理解できる。「Galaxy Fold」や「Galaxy Z Flip」の謳い文句もそこだ。2つの画面があるならアプリの連動も可能ということになるが、それほどうまく動くアプリは多くない。というより、実際にはMicrosoftアプリのスイートくらいであり、しかもそのすべての機能を利用するには「Microsoft 365」のサブスクリプションが必要になる。
筆者が使っているレビュー機と初期のソフトウェアは、動作が遅れる感じがするだけでなく、インターフェースにおかしい点があり、操作がかなり難航する。「Slack」と「Gmail」を試したところ、うまく動いたが、それもキーボードを開くまでだった。どちらかの画面にキーボードを表示して親指でスワイプしようとする、あるいは端末の向きを変えて入力しようとすると、たちまち画面が反応しなくなる。
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